不動産投資の収益性をみる指標で押さえておきたいものをご紹介します。
それは、NOIです。
この収益性指標の意味や使い方について解説していきます。
NOIとは?
NOIの意味や計算式そして、使い方について整理します。
NOIの意味と計算式
NOIとは、純収益のことでNet Operating Incomeの略です。
計算式で書くと、以下のようになります。
NOI=年間賃貸収入 - 年間運営費用
年間の運営費用には、
- 管理費
- 火災保険料
- 固定資産税・都市計画税
- テナント退去の原状回復費用
- テナント募集の費用
などが含まれます。
運営費用には、
- 支出を伴わない減価償却費
- 金融費用である支払利息
- 資本的支出となる修繕費
を含めないので、不動産の純粋な運営によって生み出されるキャッシュ・フローとなります。
NOIの使い方
NOIは、不動産の収益力を表す指標です。
不動産の収益力は、年間の賃貸収入の大きさではなく、年間の運営費用を差し引いたNOIの大きさで判断します。
例えば、AとBの不動産投資案件を比較した場合、Bの方が年間の賃料収入は大きいですが、NOIはAの方が大きいので、Aの方が収益力があると判断します。
(万円) | 投資案件A | 投資案件B | |
---|---|---|---|
年間賃料収入 | 120 | < | 130 |
-)運営費用 | 30 | 45 | |
NOI | 90 | > | 85 |
この様にNOIは投資や売買をする際に使用する判断指標となっているのです。
表面利回り・NOI利回り・実質利回りの比較
前回の記事では、表面利回りと実質利回りの違いについて取り上げました。
表面利回りは、物件価格と年間の賃料収入のたった2つか考慮しない利回りの指標です。
簡単に計算できるというメリットがありますが、コストは全く考慮されていないので、参考程度にしかならないという話をしました。
一方、実質利回りは、購入時のイニシャルコストと運用期間中のランニングコストを考慮した利回りの指標です。
より実態に近い利回りとして計算できるというメリットがありますが、個々のコストを予め正確に掴むのはハードルが高いデメリットがあるという話をしました。
知識の整理があやふやになってしまったら、こちらで復習しましょう。
さて、今回ご紹介したNOIも使って、それぞれの利回りを計算していきましょう。
物件価格:2,400万円
年間賃料:120万円
購入時の諸費用:240万円
年間運営費用:30万円
ローン返済利息:10万円
(万円) | 表面利回り | NOI利回り | 実質利回り |
---|---|---|---|
年間賃料収入 | 120 | 120 | 120 |
-)運営費用 | 30 | 30 | |
-)支払利息 | 10 | ||
分子① | 120 | 90 | 80 |
物件価格 | 2400 | 2400 | 2400 |
+)購入時諸費用 | 240 | ||
分母② | 2400 | 2400 | 2640 |
利回り(①÷②) | 5.00% | 3.75% | 3.03% |
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