資産構築・運用・管理

不動産利回りの考え方と計算方法をわかりやすく解説!

銀行の定期預金の金利も冴えない、株式投資も値動きが激しくて手を出すのが怖い。

何かいい資産運用の方法がないだろうか。。。

こんなとき、利回り10%というネット広告が飛び込んできました。

金融商品で利回り5%なら、100万円の投資で毎年5万円の利益が手に入るので、魅力的です。

ただ、不動産の投資利回りが5%だといっても、金融商品と同じ捉え方をして大丈夫でしょうか。

実は、不動産投資において利回りを表すものはいくつかあります。

今回は、不動産投資における利回りの考え方と計算方法をわかりやすく解説していきます。

このあたりの知識についてあやふやなまま不動産に多額の資金を突っ込むととってもキケンです。

しっかりこの記事を読み込んで、理解してもらえれば幸いです。

表面利回りの考え方と計算方法

不動産投資で物件を探していて「利回り」といえば、「表面利回り」のことを指します。

これは、いくらの物件を購入すると、いくらの家賃収入が入ってくるかを示しています。

表面利回りの計算で必要な情報は、物件価格と年間の賃料収入のたった2つです。

例えば、物件の販売価格が2,400万円、年間の家賃収入が120万円という不動産投資物件があったとします。

この場合、2,400万円の物件に対し、毎年の家賃収入が120万円なので、表面利回りは5%ということになります。

「表面利回り」が使われる理由は、単純に利回りが高く見えるからです。

他の投資対象と比較するときに、利回りが高く見える方が有利に見えますからね。

でも、表面利回りだけを見て投資の意思決定をすると痛い目に遭います。

最悪の場合、もう立ち直れないくらいの痛手を負うこともあります。

なぜなら、表面利回りはイニシャルコストやランニングコストなど多くのコストを全く無視した利回りだからです。

コストを完全に無視しているので、投資という観点からすると実態と乖離します。

だから、表面利回りは参考程度にしかならないのです。

【失敗談】最初に購入した投資物件の利回り計算

告白します。

私は先ほど偉そうに言っていましたが、実は私が最初に不動産投資を始めたときは、そもそも知識がなさすぎて、表面利回りも理解しているとは言い難い状態でした。

不動産業者が説明用に提示した資料を見返すと、ホントに酷いものです。。。

どのくらい酷いかって、表面利回り以上の利回りを提示されていたのです。

表面利回りは、【年間賃貸収入÷物件価格】で計算されますよね。

私が提示された利回りの計算方法は、こうでした・・・

これに納得して物件を購入した当時の自分に蹴りをお見舞いしてあげたいくらいです。

ホント、馬鹿ですね~、私。(笑)

あなたは、こんな馬鹿なマネは辞めましょうね。

もっとも、この物件は立地がよく、実際の購入金額を大幅に値引いてもらったので、そんなに大きくは儲かってはいませんが、大損はしておらず現在でも無事に稼働中です。

よくよく見ると、この不動産業者は「本計算は概算です」と書いてますので、きっちりとリスクヘッジもしてますね。(笑)

実質利回りの考え方と計算方法

次に、実質利回りの考え方を整理し、その計算方法を見ていきましょう。

不動産投資には、様々なコストがかかるという話をしました。

購入時のイニシャルコストと運用期間中のランニングコストです。

それぞれについて、具体的にどんなコストがかかるのかを整理します。

不動産購入のイニシャルコスト

不動産を取得するに際のイニシャルコストには以下のようなものがあります。

  • 購入価格
  • 消費税
  • ローン事務手数料
  • 不動産仲介手数料
  • 登記費用
  • 火災保険料/地震保険料
  • 不動産取得税
  • ローン代行手数料
  • ローン保証料

などです。

関連記事がありますので、こちらもぜひお読みください!

 

不動産投資の年間経費/ランニングコスト

また、不動産を所有して賃貸経営を行う上でかかるランニングコストには以下のようなものがあります。

  • 管理費
  • 修繕費
  • 修繕積立金
  • 固定資産税・都市計画税
  • ローンの利息
  • 所得税
  • 水道光熱費
  • 出張費用
  • 空室損失費用

などです。

こういった費用を全て考慮した上で計算するのが、実質利回りです。

実質利回りの計算方法

実質利回りは、物件価格と年間賃料だけでなく、物件購入時の諸費用と年間の運営費を考慮します。

なので、計算式で表すとこうなります。

具体的に実質利回りを計算してみます。

先ほどの流れからこんなケースを考えてみました。

物件価格:2,400万円
年間賃料:120万円
購入時の諸費用:240万円
物件の年間運営費:40万円

このケースにおいて、実質利回りを計算するとこうなります。

計算の結果、実質利回りは3.03%と算出されました。

先ほどの計算例で表面利回りは5.00%と算出しました。

このように、実質利回りの方が表面利回りよりも実態に即して計算されていることがご理解いただけたと思います。

この実質利回りの計算ができると、投資対象の選別に役立ちます。

ただ、この実質利回りの計算式も問題がないわけではありません。

実質利回り計算上の問題点と対処方法

表面利回りよりも実質利回りで考えた方が、より現実的な数字になります。

しかし、物件取得に係るイニシャルコストや物件を運用する際のランニングコストを前もって正確に掴むとはかなりハードルが高く、計算するのに時間がかかってしまいます。

これが実質利回りを算出する上での問題点です。

なので、例えば、

物件購入の諸費用→物件価格の7-10%
空室率→10-30%
修繕費→3-6%

といったように前提をいくつか置いて、実質利回りを何度も算出してみましょう。

そして、ノーマルケース、ベストシナリオ、ワーストシナリオとして、家賃の水準・空室率・修繕費などがどの程度までなら、投資の取り組みとして耐えられるのかをシミュレーションしておきましょう。

こちらの関連記事もぜひお読みください。

 

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