資産構築・運用・管理

インデックス投資がおすすめの理由は?「儲からない」との主張への考察

手元にまとまったお金はないけれど、老後資金の準備のために投資をしてみようかな・・・
でも初心者だし時間もかけられないから、手間無く、かつ低コストで分散投資ができたらいいなぁ

今回はそんなあなたにインデックス投資をおすすめしたいと思います。

インデックス投資について調べていくと、「インデックス投資は儲からない!(やめとけ)」というような主張をされている方がいますが、本当なのでしょうか。

インデックスの対局にあるアクティブとの違いについてもハッキリさせたいと思います。

インデックス投資とは?

資産運用でインデックスは指数のことです。

例えば、日経平均株価、TOPIX、S&P500、REITというのは、全て指数(インデックス)です。

世界には1万種類以上のインデックスがあり、日経平均のような株式の市場動向を示すインデックス以外にも、債券、不動産、商品などの市場動向を示すインデックスもあります。

インデックス投資は、こうした市場の動きを表す特定のインデックスに連動した動きを目指す投資方法です。

インデックス投資は、以下の2種類の投資信託を購入することで始められます。

  • インデックス投資信託
  • ETF(上場投資信託)

例えば、日経平均が5%上昇したら、インデックスの投資信託も5%上昇するイメージです。

インデックス投資の投資先は?

インデックス投資の投資先は、日本国内の株式市場に限りません。

カテゴリーで示すと、投資対象は以下のようなものがあります。

  • 日本株式
  • 外国株式
  • 日本債券
  • 海外債券
  • 日本不動産
  • 外国不動産
  • コモディティ
  • 現金
  • 為替

インデックス投資とアクティブ投資との違い

インデックス以外の投資手法には、アクティブ投資があります。

これには、個別株を選んで投資する方法と、ファンドマネージャーが運用する投資信託を購入して投資する方法があります。

インデックス投資は、市場(指数)と連動したリターンを得ることが目的ですが、アクティブ投資の場合は、市場を上回るリターンを得ることが目的です。

アクティブ投資のいいところ(メリット)は、

  • 投資対象となる商品が豊富にある
  • 短期間で大化けする可能性がある(ホームランになる可能性がある)
  • 投資銘柄の選定など自分が関与する部分が多く面白みがある

といったとこでしょうか。

例えば、新興市場の企業が開発した革新的な商品が爆発的に売れたことで、株価が短期間に急上昇しインデックスを大幅に上回るリターンをあげられたといったケースです。

一方、インデックス投資であれば、ホームランが狙えるということはありません。

なぜなら、たとえその銘柄がインデックスに組み込まれていても、その銘柄がインデックス全体に占める割合は数%と限られているからです。

ということからすると、アクティブ投資をガンガンやってる人からすると、インデックス投資は面白みに欠けると捉えられるかもしれません。

「インデックス投資は儲からない?」は本当?

しかも「インデックス投資は、儲からない!」と主張されている方もいます。

私は株式指数に投資する「インデックス投資」はおすすめしていません。

例えば、TOPIX(東証株価指数)は約2000の銘柄から構成されていて、その中にはいい企業もあればそうではない企業も含まれており玉石混交だからです。それよりも、いい企業を見極めて投資するほうがリスクは小さいと考えています。

スパークス・グループ社長:阿部修平氏
出典:ダイヤモンドZAI https://diamond.jp/articles/-/186332

同社が運用するアクティブ型の投資信託の「厳選投資」は、徹底した調査で銘柄を絞り込み、20銘柄までにしか投資しない方針とのことで、この10年間の運用成績はTOPIXを2.3倍上回るリターンをあげたようです。

これは、とてつもなく凄いことです。

この方からすれば、

インデックスなんてチマチマやってらんね~

ってとこですかね。

ただ、個別株の銘柄を厳選していくことは、並外れたリサーチ力と時間を要します。

個人投資家は、そこまで時間を費やすことは不可能です。

まして素人がやる投資手法ではないと私は考えます。

では、個人で個別銘柄の選定を行うのではなく、例えばこの「厳選投資」なる投資信託を購入するのはどうでしょう。

これは意見の分かれるところかと思いますが、ハッキリしていることは過去の運用成績は将来の運用成績を何も保証しないということです。

かつて私は、運用会社で海外のファンドを選定する仕事をしていました。

よくファンドマネージャー達が、運用するファンドに投資するようにプレゼンにやってきます。

私が面談したファンドマネージャー達は、例えば「ハーバードの金融工学で博士号を取得しました」みたいな人がごく普通にいます。

確かに、そういったマネージャーのファンドは、凄い運用実績を残しています。

ただ、そんな彼らでも「勝ち続ける」というのは難しいのです。

私は、市場の荒波に飲み込まれ消えて行ったファンドをいくつか見てきました。

そんな経験から私は、どんなに優秀なアクティブファンドでも、インデックスに「勝ち続ける」というのが如何に難しいのかということを実感しています。

更にいうと、そういったアクティブ型の投資信託は信託報酬(投資家が支払う手数料)は高いです。

これが投資家のパフォーマンスを引き下げてしまうのです。

ちなみに、「厳選投資」の信託報酬を調べてみたところ1.7712%でした。

インデックス投資の信託報酬は、低いところで0.15%とかですから、だいぶ開きがありますね・・・(汗)

アクティブ型の運用成績の好調が続けば、高い信託報酬を支払っても問題ありません。

ただそんなことは誰も確約ができないのです。

運用期間中は、運用成績が悪化することも当然にありえます。

そんな時でも、しっかりと信託報酬は確実に運用資産から控除され続けるのです。

アクティブ型への投資は絶対やめるべきだ!とは言いません。

ただ、やっぱり運用コストは意識すべきなのです。

ところで、実際のデータはどうでしょうか。

過去において、インデックスVSアクティブの検証は行われてきました。

例えば、米国で大型株に投資するアクティブファンドが米国の代表的なインデックスS&Pにリターンで負ける割合を調べたところ、以下のようになっていました。

アクティブがインデックスに負けた割合

  • 5年:88.30%
  • 10年:84.60%
  • 15年:92.15%

大型株以外を見ても、アメリカ株のほとんどの分野で、80%以上のアクティブファンドがインデックスに負けています。

インデックス投資のメリットは?

インデックス投資のデメリットとして、面白みに欠ける、ホームランはないということを挙げました。

ただ、私はそれを上回るメリットがあると考えます。

最大のメリットは、「少ない資金で、手間無く、かつ低コストで分散投資を実現できる」ことですね。

個別銘柄への投資において分散投資をしようと思ったら、多額な元手資金が必要です。

でも、インデックスであれば1本購入するだけで分散投資が実現できます。

つみたてNISAなんかを利用して、毎月自動的にコツコツと積立ていけばいいのです。

もし面白くないと感じるのであれば、例えば自分の投資資金の20%とかを個別銘柄に振り向けるなどしてみましょう。

まとめ

今回は、インデックス投資とはどんなものか、おすすめする理由についてお伝えしてきました。

「インデックス投資は儲からない」と主張する運用会社の方もいます。

ただこれは、

オレの運用するファンドはインデックスを上回ってイケてるだろ~。

だから、Youはオレのファンドを買っちゃいなよ~。

っていう一種の広報活動ですね。

勝ち続けたら本当に凄い。

でももちろんそんなことは確実ではないのだから、こういうアクティブ投資をするとしても、一部にしておきましょうね。

インデックスとアクティブの組み合わせなど、キャッシュを生み出す手法を分散させればいいのです。

分散投資の考え方は、資産運用だけでなく、自分の生き方にも通じるところがあると私は思います。

私の親の世代は、自分の収入源は会社の給料1本のみというのが当たり前でした。

でも今後も自分の収入源を会社の給料のみに頼るのは、人生の基盤として脆すぎで、全然ロバスト(堅ろう)ではありません。

なんでもかんでも他人に決めてもらう(決済してもらう)ということに慣れきっているのは、サラリーマンの弊害ですね。

自分の頭で考えましょう。

ちなみに私の場合は、複業オーナーとしてキャッシュポイントがいくつもあります。(笑)

関連記事

  1. 家を購入したきっかけと失敗・後悔しないための相談相手の選び方

  2. 老後資金の準備方法を「アリとキリギリス」の3つの結末・教訓から考えてみ…

  3. 月3万円使えるお金を増やす(稼ぐ)には?預金の必要元本を試算した結果・…

  4. 資産運用における分散投資の考え方を初心者向けにわかりやすく解説

  5. 空き家の対策・活用が進まない本当の理由は?所有者を動かす方法はこれ!

  6. 元利均等返済と元金均等返済|エクセルで計算(シミュレーション)して比較…

  7. 外貨投資の損益の計算方法は?為替の基礎知識をシミュレーションで解説

  8. 住宅ローン控除の必要書類!確定申告の時期や忘れた場合の対応は?

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 自己紹介

    会社員不適合の社内ニートが不動産事業を立ち上げる…
  2. 自己紹介

    母が投資詐欺の沼にハマっていた!セミナーに乗り込…
  3. 資産構築・運用・管理

    老後資金の準備方法を「アリとキリギリス」の3つの…
  4. 資産構築・運用・管理

    高金利通貨の新興国債券に手を出した男の末路から学…
  5. 資産構築・運用・管理

    外貨投資の損益の計算方法は?為替の基礎知識をシミ…
  6. 資産構築・運用・管理

    分散投資で資産を分散する投資対象・種類には何があ…
  7. 資産構築・運用・管理

    資産運用における分散投資の考え方を初心者向けにわ…
  8. 資産構築・運用・管理

    老後資金を一瞬で657万円溶かした話|資産を失っ…
  9. 資産構築・運用・管理

    金融商品のリスクとは?種類の一覧と意味をわかりや…
  10. マインドセット

    自分へのご褒美は意味不明?資産形成に必要な決断・…
  11. 資産構築・運用・管理

    投資と投機の違い・区別は?図解・シミュレーション…
  12. 資産構築・運用・管理

    投機とギャンブルの違いは?事例・図解で意味をわか…