って、結局どっちが得やねん!?
今回はそんな疑問をわかりやすく解説していきます。
住宅ローンなど、ローンの返済においては、
- 元利均等返済
- 元金均等返済
という2つの返済方法があることを、一度くらいは聞いたことがあるかもしれません。
ネット検索で、それぞれの返済方法を入力すれば、言葉の定義はたくさん出てきます。
ただ、返済方法の定義は簡単に調べられるけど、「結局、どっちが得なの?」という素朴な疑問についてわかりやすく解説してくれているサイトはほとんど見かけません。
そこで今回私は、エクセルを用いて計算(シミュレーション)してみることにしました。
元利均等返済と元金均等返済の違いとメリット・デメリット
まずは元利均等返済と元金均等返済の特徴を確認しましょう。
- 「元利均等返済」は、元本と利息を合計した毎月の返済額が一定(均等)となる返済方法
- 「元金均等返済」は、元金の額が一定(均等)となる返済方法
一般的に言われているメリット・デメリットは以下のようなものです。
元利均等返済のメリットとデメリット
【メリット】
- 返済額(元金+利息)が一定のため、返済計画が立てやすい
- 元金均等返済に比べて、返済開始当初の返済額を少なくできる
【デメリット】
- 同じ借入期間の場合、元金均等返済よりも支払利息総額が多くなる
- 借入金残高の減り方が遅くなる
元本均等返済のメリットとデメリット
【メリット】
- 返済額(元金+利息)は返済が進むにつれ少なくなっていく
- 同じ借入期間の場合、元利均等返済よりも支払利息総額が少なくなる
(→理由:元利均等返済に比べて、元金の減少が早いから)
【デメリット】
- 返済開始当初の返済額が最も高く、当初の返済負担が重い
エクセルでシミュレーションしてわかったこと
まず、以下の前提で元利均等返済と元金均等返済のシミュレーションを行ってみました。
- 借入金額:1,000万円
- 返済期間:10年
- 適用金利:1%
元利均等返済のシミュレーション
元利均等返済の当初の返済表は以下の通りです。
毎月の返済額の推移をグラフに表すと以下のようになります。
元金均等返済のシミュレーション
元金均等返済の当初の返済表は以下の通りです。
補足ながら、どうやってこういった返済表を作るのかを知りたい方は、こちらの記事が参考になります。
さて、今回のケースをグラフに表すと以下のようになります。
比較してみた
両方のシミュレーション結果を比較します。
まず、支払利息総額の比較です。
元利均等返済 | ¥512,432 |
元金均等返済 | ¥504,100 |
差額 | ¥8,332 |
先程、元利均等返済の方が、支払利息総額が多くなる(元金均等返済の方が、支払利息総額が少なくなる)という話をしました。
シミュレーションの結果は確かにその通りになっています。
ただしこのケースの場合、10年間で8千円ちょっとの違いだけなので、元利均等返済と元金均等返済のどっちを選んでもあんまり変わんないな・・・と私は思います。
もし、少しでも金利負担が軽減できるなら・・・と考えるのであれば、元本の償還が早く進む元本均等返済をおすすめします。
また、以下のように毎月の返済額の推移を比較してグラフに表してみると、毎月の返済額にもそれほど差がないようですし。
なぜこうなったのかと言うと、1%という低金利でシミュレーションしてるからなんですね。
もっとも、現在は超~低金利の環境なので、このシミュレーションが現実に則したものであると言えます。
そこで、今度は以下の前提で元利均等返済と元金均等返済のシミュレーションを行ってみました。
- 借入金額1,000万円
- 返済期間10年
- 適用金利10% ※(金利1%から変更)
元利均等返済のシミュレーション(金利10%)
元利均等返済の当初の返済表は以下の通りです。
これをグラフに表すと以下のようになります。
元金均等返済のシミュレーション(金利10%)
元金均等返済の返済表は以下の通りです。
これをグラフに表すと以下のようになります。
比較してみた(金利10%)
支払利息総額を比較してみました。
元利均等返済 | ¥5,858,054 |
元金均等返済 | ¥5,041,566 |
差額 | ¥816,488 |
今回は、金利10%のケースで比較しているので、支払利息総額に結構違いが出ることがわかります。
これであれば、金利負担が少ないから元利均等返済を選びたくもなります。
ただ、もう一つ気になるポイントは毎月の返済月額です。
当初は元本の償還が進んでいないので、元金均等返済における返済額(元本+利息)が大きくなります。
両方の毎月の返済額の推移を比較してグラフに表してみるとこうなります。
当初の返済額が毎月3万円も違いがでる・・・・ということを考えると躊躇しちゃいますよね。
- 金利負担を少しでも減らしたいと思う場合は、元金均等返済を
- 当面の手元のお金を少しでも残しておきたいと思う場合は、元本均等を
ってことになりますね。
まとめ
元利均等返済と元金均等返済についてシミュレーションをしました。
ここからわかった結論を以下にまとめるとこうなります。
- 住宅ローンであれば、元利均等も元本均等どちらを選んでもあまり変わらない。
- その理由は超低金利だから
- しかし、(カードローンなど)金利が高く設定されているものは、元本均等の方が元本を先に償還していけるので得
- ただし、当初の金利負担が重く返済額が多くなるのがデメリット
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