分散投資で資産を分散する投資対象・種類には何がある?

分散投資で資産を分散する投資対象・種類には一体何があるんだろう?

今回はこんな疑問について答えて行きます。

前回の記事では資産運用の初心者向けに分散投資の考え方を整理しました。

分散投資は、資産・地域(地域)・時間(タイミング)の分散させることで行う、ということでしたね。

今回は、分散投資の対象となる資産にはどんなものがあるのか、ということについて証券アナリストと1級ファイナンシャルプランニング技能士の資格を有し、運用会社でのアナリスト業務の経験もある私ノビが解説していきます。

最後まで読むことで、いろんな情報がスッキリ整理できて、あなたの資産形成の方向性が定まってくると思います。

分散投資の対象となる資産とは?

分散投資の対象となる資産として、このように分類しました。

  • 預貯金
  • 株式
  • 債券
  • 商品
  • 不動産
  • その他

それぞれの資産の価値に直結する「価格の動き」すなわち値動きは、同じではありません。

例えば、株式が値上がりするときには債券が値下がりする、といった動きをします。

このように、特定の資産が値下がりした場合には、他の資産や銘柄の値上がりでカバーし、保有している資産の間で生じる価格変動のリスクを減らすことができます。

イメージでそれを表したのが以下のチャートです。

出典:岡三証券

 

縦軸は、リターンの振れ幅を表します。

リターンゼロを挟んで、上側がプラス、下側がマイナスです。

横軸は、時間の経過を表します。

青線で表す資産Aは、リターンがプラスとマイナスに大きく振れています。

振れ幅が大きいということは、リスクがあるということですね。

オレンジ線で表す資産Bも、リターンがプラスにもマイナスにも振れています。

このことは、資産Aも資産Bも同じです。

でも、資産Aと資産Bで違う点が2つあります。

まず、資産B(オレンジ線)は、資産A(青線)よりもリターンの振れ幅が小さい。

リターンの振れ幅が小さいということは、すなわちリスクが小さいということです。

もう一つは、資産B(オレンジ線)は、資産A(青線)のリターンの出方が逆、ということです。

つまり、

資産A(青線)がプラスのとき、資産B(オレンジ線)がマイナス
資産A(青線)がマイナスのとき、資産B(オレンジ線)がプラス

となっています。

資産Aと資産Bを両方持った場合(=分散投資した場合)のリターンの出方は、赤の点線となります。

赤の点線も、リターンはプラスもマイナスもあります。

ただし、リターンの振れ幅は、資産Aだけ持った場合よりも、資産Bだけ持った場合よりも、小さくなっています。

リターンの振れ幅が小さいということは、分散投資によってリスクが小さくなったということを意味します。

このように、リターンの出方(値動き)が異なる資産を組み合わせることで、分散投資を行います。

投資対象の資産を更に細分化して分類

預金以外の株や債券などは更に細かく分類していくことができます。

株式による分散投資

株式と債券、株式と不動産といったように資産の種類による分散投資もできますが、株式の中だけでも、分散投資の考え方を当てはめることができます。

これは、1つの個別株式を集中的に持つのではなく、

  • 業種別
  • 規模別

といった切り口で、リターンの出方が異なる株式を組み合わせて持つというやり方です。

業種別とは、異なる業種の株式の組合せです。

同じ業種のリターンの出方は似てくる部分がありますが、異なる業種で異なるリターンの出方をする株式を持つことで分散を図ります。

例えば、気温が高く晴れた日が続くと、ビール・アイスクリーム関連、またレジャー関連の会社の業績が向上し、一方で、雨具やコートなどの衣料関連の会社の業績は低迷すると考えられます。

ここから、レジャーと雨具の関連業種の両方に投資しておけば、天候に左右されず、安定的なリターンが期待できますよね。

こういった業種別の組合せは、トヨタなどの輸送用機器の株と内需関連株として大和ハウス工業などの建設業の株を組み合わせるといった具合に、いろいろできます。

また、投資対象の株式銘柄の規模別で組合せて分散投資を行うこともあります。

規模別とは、大型株・中型株・小型株に分類される株式の組合せです。

大型株は、時価総額(株価×発行済み株式数)が大きくて活発に取引されている(流動性が高い)株式のことで、小型株は、逆に時価総額が小さくて取引量が少ない株式です。

一般的に、リターンの振れ幅は、大型株は小さく、小型株は大きいです。

なので、例えば大型株と小型株を組合わせて保有することにより分散投資して全体のリスクを減らせる、と考えることができます。

ところで、個別株だけで分散投資を実現しようとすると、まとまった資金が必要になります。

ただ、投資に振り向けられる個人の元手にはやはり限界がありますから、投資信託・ETFに投資するという手もあります。

投資信託・ETFであれば、小口の資金で分散投資が可能となります。

これは、小口の資金を集めて大きな資金として運用するからなんですね。

あれっ?ETFって何?投資信託との違いって?・・・今さら聞けないわ(・_・;)

という場合はこちらの記事をお読みください。

【関連記事】
ETFとは?メリットやデメリットと投資信託との違いをわかりやすく解説

 

債券における分散投資

債券は、国や地方公共団体、企業など(発行体)が投資家から資金調達する際に発行する、いわば借用証書です。

債券は、発行元によって公債(国債・地方債)と社債に分かれます。

(その他、政府保証債とか金融債とかもありますが、単純化のためここでは無視)

 

債券は、発行体にとっては借金であり、投資家にとっては資産運用の対象です。

発行体が、元本と利息の支払いを約束し、投資家は運用先として資金を提供します。

債券は、利払い方式によって、利付債と割引債に分けられます。

まず、利付債は、予め決められた金利(利率)が満期まで変わることなく支払われる固定利付債が一般的ですが、市場金利の変動に応じて利率が変わる変動利付債もあります。

もうひとつの割引債は、予め額面から利子相当額を割り引いた価格で発行され、満期時に額面金額で償還される債券です。(期中では利子を受取りません)

例えば、額面100円の債券を、90円で購入し、満期日に額面金額の100円が償還されるような債券です。

この場合、割引された10円がリターンです。

株式の場合は、株価の変動によるリターンと保有し続けることによる配当の受取りというリターンがあります。

一方、利付債であれば、定期的な利息受取り後に元本の償還を受けるというリターンの出方になります。

リターンの出方が異なるので、株式と債券を保有するということが分散投資においてはあり得るのです。

なお、債券についても投資信託・ETFを購入することにより小口資金で分散効果を狙うことも可能です。

商品による資産分散

資産運用における投資対象の商品で代表的なものは、金でしょう。

金が投資対象として選好されてきたのは、以下のような理由があるからです。

  • 希少性があり無価値にならないから
  • 世界中で共通の価値があるから
  • 純金積立などの方法で現物を所持できるから
  • インフレや戦争などの有事に強いから
  • 株式など他の資産とリターンが連動せず分散効果が期待できるから

商品にも投資信託・ETFがあります。

対象は、貴金属(金・銀・プラチナ)、穀物(とうもろこし、小麦、大豆)、そしてエネルギー(原油)といったものが代表的です。

その他先物で運用っていうのもあります。

商品については、株式や債券に比べてリスク(リターンの振れ幅)が高く、私の義理の祖母のようによくわからないまま先物1本で勝負していたりすると、大やけどを負うことになりますから気を付けましょう。

こんな風に・・・ね。(笑)

【関連記事】
老後資金を一瞬で657万円溶かした話|資産を失ってしまう4つの原因

不動産による分散投資

不動産についても投資信託・ETFによって小口投資ができます。

この不動産投資信託は、リートと呼ばれるもので、Real Estate Investment Trustの頭文字を取ってREITと表記されます。

REIT(リート)は、投資家から集めた資金をオフィスビルや商業施設、賃貸マンション等に投資し、得られる賃貸料や不動産売買益を投資家に配分する商品です。

「リートに投資する」ということは、「間接的にさまざまな不動産のオーナーになる」ことと似た効果となります。

株式や債券への投資とは異なるリターンの出方をする傾向にあり、分散投資の効果は期待できます。

この他、ご自身で不動産物件を購入してオーナーになり、賃料収入を得たり、売却益を手にしたりという方法もあります。

現物への投資となりなすので、当然ながらリターンの出方は他の金融商品とは異なるので、分散投資効果は期待できます。

ただし、不動産投資には以下のようなリスクがありますので、取り組む前には相応の知識武装が必要です。

  • 空室
  • 家賃滞納
  • 家賃下落
  • 賃貸管理会社の管理の怠慢
  • 金利の変動
  • 災害
  • 流動性の低さ
  • リフォーム費用の増大

目利きもないなま不動産会社にそそのかされて、下手な物件を高額のローンを組んで掴まされたりすると、投資どころか人生を詰んでしまう可能性があるのでくれぐれも慎重に。

「アパート経営しましょ~」みたいな、テレビCMとかでバンバン流してるやつは、ほとんど「投資」でもなんでありません。

購入者自身の「消費(浪費)」であり、不動産販売会社にとっての単なるお客様(いわゆる、”いいカモ”)ってやつですねwww

本当のうまみは、一見どうしようもないゴミの中に埋もれていたりするもんですよ。

私の経験談を語っていますので併せてお読みください。

【関連記事】
ゴミ屋敷と私|片付け費用(業者見積)が高かったから自分でやったらこうなった

 

その他の投資消費による分散投資

その他、例えば以下のようなものも投資対象になっています。

  • 絵画(アート)
  • ワイン・ウイスキー
  • 仮想通貨など

絵画(アート)やワイン・ウイスキーは、潤沢に余裕資金がある富裕層が手を出せるものというイメージです。

普通の人でも可能かもしれませんが、資産形成のための投資対象として見なせるか、にかかっています。

既に長く嗜んでいる趣味が講じて、という人であれば手が出せる領域ですが、この分野に土地勘が全くない人がただ単に「分散投資」ということで手を出すのは火傷しそうですね。

株や債券などの金融商品と異なり、流動性が低く、保管・輸送等の維持費も相当かかりそうです。

相当な目利きも必要ですし。

仮想投資についても、時々短期間に「大化けして大金を手にした!」という情報をネットなどで知ることがありますが、かなりギャンブル性が高いので個人的にはちょっと手を出せておりません。

まとめ

分散投資で資産を分散する投資対象・種類には何があるのか、ということについてお話してきました。

初心者だと投資自体が、「リスク=怖い」とか「元本割れが嫌」というイメージを持ち、預貯金だけっていう人もいるかもしれません。

でも、インフレによって預貯金だけだと額面金額は変わらなくても、実質的な価値は減っていくということも考慮しましょう。

【関連記事】
預金・貯金と貯蓄の違いは?資産形成の初心者が押さえるべき2つの考え方

人生もそうですが、じっとしてるだけだと下りのエスカレーターに乗ってるのと同じですね。

リスクはゼロになることはありませんが、いろんな資産を保有して分散投資することで、リスクを抑えつつリターンを狙っていくというマインドはもっておいて損はないと思います。

ではまた。

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