自己紹介

熟年離婚に備える40代専業主婦が発した一言から刷り込まれた価値観を知った話

週末の昼下がり。

郊外のカフェ。

熟年離婚を視野に経済的自立を本気で目指す知人女性(40代後半)が放った一言には、大いに考えさせられた。

「そんなことで稼ぎたくない・・・」

だって。

「そんなことで・・・か。」

彼女の価値観の背景に思いを巡らせ、私は天を仰いだ。

「老後を旦那と一緒に過ごすなんて絶対に嫌」

これは本音だろう。

そして、世の中には同じように考えている女性はいる。

しかも多数。

でも問題は、離婚した後にどうやって暮らしていくのか、ということ。

つまり、「お金」という現実的な問題に直面するわけだ。

その問題の解決が必須であることは百も承知のはず。

だから、

「離婚に備えるため、
経済的に自立し旦那への依存度を下げておきたい」

という。

ただ感情的になって「旦那が憎い・嫌い」というだけでなく、
現実的な考え方をしていることが伺える。

にもかかわらず、だ。

「そんな(ギラギラした)ことで稼ぎたくない・・・」

という彼女の言葉から、刷り込まれてきた価値観の根深さを感じ取った。

これは、もう「マインドブロック」と言っていいだろう。

今回は、彼女が発した一言について、
本音ベースで書いていきたい。

私は、サラリーマンの父親と
専業主婦の母親の間に生まれた。

勉強して有名大学に入り、
大手の会社に就職する。

そうすれば、高い給料がもらえる。

そして、
結婚して子どもを作って自分の家を持つ。

そうすれば、「幸せ」が手に入る。

私の両親にはそんな価値観があったと思う。

その影響を受け、
たくさんのお金を手にするために

より大手の会社に勤める

よりたくさんの給料がもらえる

という図式が私の中で出来上がりつつあった。

だから、受験戦争や就職戦線をくぐり抜けて
業界大手の一部上場企業に就職した。

振り返ると、我ながら頑張ったと思う。

父も母も目を細めて喜んでくれた。

「これでオレの人生開けたのかな・・・」

今思うと、私はとんでもない勘違い野郎だった。

人生はそんなに単純ではない。

就職先は、創業100年を優に超える東証一部上場会社。

巨大ピラミッド組織のど底辺で
小突き回され辛酸を何度も舐めた。

その後、会社を辞め留学を経て
帰国してまた職に就いた。

転職も経験した。

その間に、結婚とか子どもとか、家とか、人生の転機を経て、一人の男としての「責任」ってやつが増えていった。

20代で独身だったら、
「んざけんなよー」
とか言って会社飛び出してかもしれないことだって
グッと飲み込むようになった。

もともとそんな物分りいい方ではない。

・もう嫌だ
・こんな会社絶対に辞めてやる!

って思うことなんて30代以降になったってある。

それでも、翌日職場に向かうのだ。

感情を飲み込むっていうのは、
仮面夫婦で離婚を考えている
専業主婦にもあるだろう。

絶対離婚してやる!

って、専業主婦仲間で集まって
旦那について毒を吐く。

でも、たいていは具体的に
離婚に踏み切るまではしない。

何故か。

その答えは「ショーシャンクの空に」
という映画にヒントがあると思う。

長年ショーシャンク刑務所に入っている囚人レッド(モーガン・フリーマン)が無実の罪で収監された元銀行副頭取アンディ(ティム・ロビンス)に語り掛けるシーンがある。

この塀はやっかいなんだ。
(These walls are funny.)

最初は憎む。
(First you hate ‘em,)

だんだん慣れてくる。
(then you get used to ‘em.)

時間がたつと頼るようになっちまう。
(Enough time passes, you get so you depend on them.)

それが刑務所慣れってやつさ。
(That’s institutionalized.)

 

ここで出てくる「壁」を会社とか旦那(配偶者)
に置き換えてみるといい。

囚人(自分)は早くこの壁(会社・旦那)から
一刻も早く逃れて自由を手に入れたいと最初は思う。

でも、一歩壁の外に出るとなると、

明日からどうやってメシ食っていくのかとか
苗字が変わるとか
家の名義とかローンはどうするのかとか
保険はどうするのかとか
子育てはどうするのかとか

いろいろ乗り越えなければならないハードルの存在に気付く。

そう考えると、会社・旦那に不満は残るものの、現状会社なり旦那のおかげで一応は生活できているわけだし・・・

となり、なんとなーく歳をとっていく。

離婚の場合は、財産の半分を受け取れたり、年金を分割したりする方法は確かにある。

離婚専門を標榜する弁護士に頼めば、嬉々として“法的な手続き”はしてくれる。

弁護士報酬が目当てなのだから。

もし旦那に不倫(不貞行為)があれば、慰謝料を多少得られることもあるだろう。

ただ、離婚の調停や裁判といった“法的な手続き”は、あくまでも一時的でいつかは終わる。

その一方で、本人のその後の生活はその先も続く。

一時的に得た財産と慰謝料でその先も過ごすとなれば、不安が消えることはないだろう。

右肩下がりに資産を食いつぶして行くだけなのだから。

たとえ年金を分捕ったからといって、
めでたし、めでたし、となかなかならないのが現実の世界。

現実の世界は、おとぎの世界とは違うんだよって話。

刷り込まれた価値観

それでも人間だから、どこかで臨界点はある。

「もう限界・・・」

という状態。

サラリーマン(会社員)の場合、
この時の対処として
お勧めしない方法が2つある。

それは、

  • 資格を取ること
  • 転職すること

私の場合、どちらもやってしまった。

その時は「正解だ」と思っていた。

でももし、今過去の自分にアドバイスできるとしたら、「それは悪手だ。今すぐやめろ!」と怒鳴りつけるだろう。

キャリアアップのため、転職のため、と目指す資格の大半は役に立たない。

難関な資格を取得したところで、「金を稼ぐ」ことには直結しないからだ。

こう書くと、

いやいや、何言ってんの?

資格を取れば、社内で評価されるし、
転職にも有利じゃん。

実際転職して給料あがったぞ!

と反論する人も出てくるだろう。

ただ、それは本質的な問題を解決していない。

えっ、本質的な問題?

それは、
「誰かに雇われている労働者」
という立場には変わりはない、ということ。

A社が嫌だったからB社に転職しても、自分に指示する人間が変わるだけなのだ。

結局、自分の首根っこは誰かに掴まれていて、他者に依存している状況には変わらない。

我々の多くは、子供の頃から、
いい学校に入って、いい会社で働くっていう価値観が刷り込まれてきた。

私も長い間この価値観でいた。

誰かの指示を受け、その通りに動くことに
何の疑問も持たない人も実際多い。

幼稚園や小学生の頃から植え付けられてきた価値観。

刷り込みって恐ろしい。

結構な時間がかかって末に、
私はようやく気付いた。

ずっと労働者のままじゃアカンわな。
自分がオーナーにならないと・・・って。

 

そこでまず私は大金を払い
既にネット起業して成功している人に話を聞きに行った。

一回り以上年下のその起業家から言われたのはこんなことだった。

・理念とか自分探しとか眠たいこと言ってんな
・まずカネを稼ぐことに全集中しろ
・そのために、まずネットを立ち上げろ
・大衆が興味を持ちそうなことをネタに書いてアクセスを集めるんだ
・ゼロからまず小さな実績を作るんだ

と。

「大衆が興味を持つこと・・・?」

正直最初は全然ピンとこなかった。

それが、テレビ番組とか有名人のこととかを
ネタとして取り上げることだと知ったとき
正直こう思った。

はぁ?何言ってんの?

頑張って難しい資格とか取ったから、
それを活かしたビジネスがいいんだけど。

オレ別に有名人とか全然興味ないし・・・

なんでそんなこと書かなきゃいけなんだよ(怒)

そんなことして稼ぎたくないわ!

今ならこれがいかに自分本位な考え方なのか
っていうのがわかるけど、当時は気付けなかった。

頭がコリコリに固まった
頑固おやじだったんだね。

結局これも、
マインドブロックなんだよね。

大卒のホワイトカラーの人間が
やるような仕事じゃない

って救いようのない考え。

こんなメンタリティだから、
せっかくの貴重なアドバイスを聞いても
我流を通そうとする。

当然、結果出ない。

「はぁ~」って
溜息ばかりついて落ち込む。

もうどん底。

でもそこからようやく気付いて
考え方を改めて教えを実践してみたら、
結果が出始めた。

0→1になった瞬間だった。

苦手なネットで
給料以外の収入源を得たことに
ゾクゾクした。

 

さて、彼女のことに話を戻す。

「旦那からの経済的な自立」

仮面夫婦の彼女にとってのゴールだ。

私は、彼女が
これまでお金をつかってきたもの
興味があるものを尋ねた。

「天然石」
という答えが返ってきた。

私は、ビジネスのネタとして
とてもいいと感じた。

素人ながら天然石といえば、
パワーストーンと関連づけられ、
いわゆるスピリチュアル系のビジネスになるからだ。

このスピリチュアル系というのは、
いわゆる“鉄板の”ビジネスジャンル。

「自己実現の欲求」という
人間が持つ本源的な欲求に基づくものだから、
高単価を設定しても購入してくれる人がいる。

「占い」なんかと同じ。

だから私は彼女に、儲けるビジネスのジャンルなので、
サイトを立ち上げて取り組んでみることを勧めた。

しかし、彼女は乗り気ではなかった。

その理由は、
「なんか(イメージが)ギラギラしてる」から
だってさ。

彼女の中では「天然石」は、

・パワーストーン
・お守り

という分類があるらしい。

彼女の考えを整理するとこうだ。

・パワーストーンというのは、どことなく怪しい
・「それさえあれば願いが叶う」みたいな捉え方
・言ってみれば「石が主で、人が従」という考えがある。

一方、

・お守りというのは、「あくまでも人が主で、石は従の位置づけしかない」というもの。

彼女曰く、

パワーストーンとして打ち出せば、確かに売れそう。」

現にその分野で商売になることを知っている。

それでも・・・

と彼女は続ける。

「そんなことまでして稼ぎたくない・・・」

という冒頭の一言になる。

 

 

パワーストーンを扱うこと自体は
詐欺でも犯罪でもない。

パワーストーンを持つことに価値を感じて、
満足している人はいる。

人が求めるものがあるわけだし
市場が存在することは明白。

これに取り組まない手はない、
と私は感じる。

彼女がやりたい“お守り”「天然石」というのも、言いたいことはわかるような気もする

が、そこには市場の広がりをパワーストーンほどは感じない。

そもそも、経済的に自立するために稼ぎたいのではないのか?との疑問がよぎる。

・自分でお金を稼いで自立したい!
・でも、「そんなことまでして稼ぎたくない」

という。

・・・なんだかな。。

彼女もまたかつての私と同じように
刷り込まれてきた価値観の中にいる。

  • 「メンタルブロック」を外す
  • 既に存在していて実績を作りやすい市場を狙う

から始めてもらえれば・・・・

と私は思った。

それが結局は、自分の理想を叶える一番の近道だと私は信じているのだから。

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