オーナーと労働者を分けることのひとつに、金利に対する感度があると私は思っています。
- オーナーは、金利を味方に付け資産を増やし、
- 労働者は、金利の負担を負い資産をむしり取られていく
みたいなイメージです。
振り返ってみると、金利の計算方法を把握し、エクセルという便利な道具をつかって自分でシミュレーションできるようになったお蔭で、私は自分の資産を増やすことができています。
また、聞きざわりのいい投資話とかも数値的に分析して「なんかこの話おかしいな・・・」と感じられるようになりました。
これは、私が金融業界での実務経験を持ち、またアナリストや1級FPの知識を意識して実践してきたからだと自己分析しています。
もちろん、過去には痛い経験もしてますが(笑)
一方、世の中では金利の計算方法を把握していないがために、損している人がいるんだなぁと感じることがあります。
代表的な例が、住宅ローン。
住宅ローンの借り方によって、夢のマイホームの取得が悲劇の始まりになったりする人もいます。
今回は例として、住宅ローンにおける借入可能額をエクセルでシミュレーションしてみることにしました。
エクセルで住宅ローンの借入可能額をシミュレーションしてみた
まず、エクセルを立ち上げて同じように入力してみましょう。
借入可能額を算出する(B4)のセルには、以下のエクセル関数が表示されています。
(赤線の箇所参照)
=PV(B1/12,B2*12,-B3)
(※単純化のため、将来価値とか支払期日については省略)
借入可能額を算出するための要素は、カンマで区切られた
- 金利
- 返済期間
- 返済額
だけです。
このたった3つの要素をPV関数というエクセル関数に放り込むだけで、借入可能額を算出することができます。
できそうに思えてきませんか?
PV(B1/12,B2*12,-B3)を書き換えると、以下のようになります。
PV(年率/12,返済年*12,-返済月額)
です。
次に、それぞれの要素を解説していきますね。
金利(年率)
ローン借入に際して、想定金利を任意に入力します。
金利は通常、年率で表示されます。
年率とは、1年間を単位とする利率(比率)のことです。
住宅ローンの返済は通常、年払いではなく月払いなので、それに合わせて金利は年率ではなく月利にして計算する必要があります。
月利とは、1か月を単位とする利率(比率)のことです。
年率から月利への変換は、年率を12か月で割れば計算できます。
B1セルを12で割っているのはこのためです。
返済期間
借入れたローンをどのくらいの期間をかけて返済するかを任意に入力します。
入力されているB2セルは「年」で表記されています。
先ほどと同様に、返済は年払いではなく月払いなので、「返済期間は何年かではなく、何か月か」で考える必要があります。
何ヶ月かを計算するのは簡単ですね。
年に12ヶ月をかけてあげればいいのです。
B2に12をかけているのはこのためです。
返済額
ローンの返済として毎月いくら支払うかを任意に入力します。
今回の例では、毎月10万円としてみました。
PV関数の中で、返済月額のところはマイナス(ー)と表記しています。
マイナスを付けるのは、返済によってキャッシュアウトしていくからですね。
借入可能額
上記で説明した金利・返済期間・毎月の返済額を入力するすると、
「=PV(B1/12,B2*12,-B3)」と埋め込んだB4セルに借入可能額が自動的に算出されます。
簡単ですよね。
- 金利
- 返済期間
- 返済月額
の数値をいろいろ変えてみると、借入可能額が変化しますので、自分でシミュレーションしてみてください。
そして、算出される数値からどんなことが言えるのか、観察してみてくださいね。
こんなことが言えるはずです。
金利 | 高い | 低い |
---|---|---|
借入可能額 | 少なくなる | 多くなる |
借入期間 | 長い | 短い |
---|---|---|
借入可能額 | 多くなる | 少なくなる |
返済月額 | 多い | 少ない |
---|---|---|
借入可能額 | 多くなる | 少なくなる |
まとめ
金利の計算方法の例として、今回は住宅ローンの借入可能額をエクセルを使ってシミュレーションしてみました。
家を購入しようと思ったら、最初にやることは住宅展示場に足を運ぶことではありません。
いくらまで借りられるのか、エクセルを用いて綿密にシミュレーションしてみることです。
住宅ローンの借り方に失敗し、のちのち家族がバラバラになってしまったら元も子もありませんから。
これが複業オーナーである私の願いです。
極論すると、家なんて単なる箱です。
「せっかくだから・・・」と借り過ぎて、住宅ローンの奴隷になってはいけませんよ。
ベストセラー書籍『金持ち父さん貧乏父さん』で金持ち父さんは、こんな主旨のことを言いました。
金持ちは資産を手に入れる。
中流以下の人たちは負債を手に入れ、資産だと思い込む。
この意味するところを改めて考え直す必要がありそうです。
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