大学卒業までお金を準備できるだろうか・・・
子育てのお金について漠然とこんな風に思ったことはないでしょうか。
もしあなたが子育て中であれば、現実問題として向き合っていかなければなりませんよね。
そこでまず、大学卒業までに教育費は平均でいくらかかるのか、ということを明確にしていきます。
漠然とした不安のままでは「解決しよう」という発想になかなか繋がりませんからね。
不安を課題に変えたら、教育費の貯め方についても検討できます。
教育費は平均でいくらかかる?
子ども1人育てるには、1,000万円とも、2,000万円ともかかると聞いたことはないでしょうか。
でも、仮にこれが正しい数字だったとしても、この数字自体はあまり意味がありません。
なぜなら、一度にこの額が必要というわけではないからです。
一番知らないといけないのは、きっとこんなことですよね。
- 今から○年後に
- 自分は○歳で
- 子どもは○歳
- その時いくら必要か
こうした具体的なことを把握するために、以下の2つ統計データをもとにシミュレーションしてみました。
- 文部科学省「子どもの学習費調査」(平成30年(2018年)度)(幼稚園~高校まで)
- 日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査(勤労者世帯)」(令和3年(2021年)度)(大学)
この2つの統計データから、使える情報として私が整理したのが以下の表です。
公立と私立の教育費比較
下の表は、幼稚園(3歳)から小学校・中学校・高校、そして大学まで(21歳)の教育費の年齢別平均データです。
教育費のデータを扱う上で、大きな影響を及ぼすのは進学先でしょう。
進学する学校が「公立」なのか「私立」なのかで準備する教育費が大きく変わってきますからね。
この学習費(教育費)に含まれているのは、以下の通りです。
- 授業料などの学校教育費
- 学校給食費
- 塾や習い事などの学校外活動費
年齢別に抽出したのが以下の表です。
これを参考に、あなたの子供をどういう進学パターンに進ませるのか、まずイメージしてみてください。
私の場合は、幼稚園が私立、小学校から高校までは公立、1年浪人して、私立大学(文系)に進みました。
父親となった現在の私の周りには、自分の子どもを当たり前のように「中学校から私立に」と考える親が多い印象です。(自分が子供のころもいましたが状況が違うのですね。)
しかし私は、「子ども自身にその気がないなら、無理やり受験させるこたーねーよ」と考えています。
そもそも、子どもの方から「受験勉強して私立に行きたい!」という意気込みが伝わってきません・・・(笑)
大学までの教育費の推移をシミュレーション
ここまでできたら、次はエクセルなどのスプレッドシートを使って、数字を落とし込んで行きましょう。
つまり、
- 現時点で自分や妻は何歳で
- 子どもは何歳か
- ○年後は何歳になっているのか
- 大学までの子どもの進学先は私立か公立か
- その学費は平均でいくらかかるのか
ということを書き込んでいくのです。
例えば、シミュレーション時点でパパ40歳、ママ38歳、子どもがそれぞれ5歳、2歳の4人家族で、見込んだ教育費推移は以下の通りです。
教育費を計算してわかること
次は、単年(各年)でかかる教育費を合計します。
子どもが1人であればそのままですが、2人、3人であれば、2人分、3人分の合計を算出します。
上記の例では2人分でしたので、それぞれの単年の教育費を合計し、グラフにしたのが以下です。
この例から考察できることは、以下のことですよね。
- シミュレーションをした時点で子供はまだ小さい(5歳、2歳)
- なので当面は教育費はあまりかからない
- ただ、13年後に400万円弱お金が必要になる(その時自分は53歳)
- この理由は、上の子の大学入学と下の子の高校入学が重なる予定だから
- さらに、15年後にも400万円以上お金が必要になる(その時自分は56歳)
- この理由は、下の子が大学に入学する予定だから、上の子の大学の授業料もかかるから
- その後は、上の子が社会人になる予定なので教育費負担からは解放されていくだろう
みたいな感じです。
ということは主に、13年後・15年後にやってくる教育費負担の山のために今から準備できることは何か、考えて行動していくことになりますね。
こうしておけば、教育費の負担が心配・・・という「漠然とした不安」から「明確な課題」になりますよね。
公立・私立の進学4パターン別の教育費
あなたの家族のケースは、どんなパターンを想定しましたか。
私の方で、進学のパターンとして4つをパターンを考えてみました。
- すべて公立
- 小中公立ほか私立
- 小公立ほか私立
- すべて私立
このパターンでかかる教育費をまとめてみたのが以下の表(概算)です。
これを眺めてみると、やはり大学を卒業するまでの総額の教育費は、1,000万円とか2,000万円という目安は、おおよそあたっているのですね。
大学までの教育費の推移を累計でみた
上記は、①から④のパターンを、学校別でまとめていますが、これを「累計」という切り口で眺めてみるとどうでしょうか。
「累計」というのは、例えば、1年目が50、2年目が30だったら、累計は80となります。
仮に3年目が40だったら、3年間の累計は120(=80+40)とする考え方です。
①から④のパターンを年ごとに累計したものをグラフに表すと以下のようになります。
これを考察してみると、こんなことが言えます。
- 子どもが小さいころは、累計額の伸び方が緩やか
- ただし、小学校から私立に入れるパターン④は例外
- 子どもが高校、大学と進学する頃になると、角度が急になる
- これは、高校や大学に入学するのに、多額のお金が必要になるから
子どもが大きくなってからだと、まとまった教育資金を短期間で貯めるのは難しそうですね。
学資保険で貯めるのは間違い
じゃあ、教育費はどうやって貯めていったらいい?
って思いますよね。
周りはどうしているのか。
調べてみると、意外にも「学資保険で貯める」ことを検討している人が多い様です。
だって、
- 学資保険 おすすめ
- 学資保険 ランキング
- 学資保険 人気
- 学資保険 かんぽ
- 学資保険 ソニー
といったキーワードがよく検索されていますから。
こういったキーワードで検索する人は、「学資保険に加入することを前提として調べているのかな」と想像します。
でも、「ハッキリいって学資保険ってもうこの時代に合っていない」と私は思います。”オワコン”ってやつですかね。
と思われたら、こちらの記事で詳しく書いてあるので、ぜひお読みください。
まとめ:子どもへの教育投資のリターンは?
子どもの教育費は平均でいくらかかるのか、ということを見てきました。
公立or私立に進学した場合に、大学までの教育費がどのようになるかシミュレーションしました。
ところで、子どもへの教育投資はリターンが見込めるのでしょうか。
「子どもにいい教育を受けさせるのは、リターンを見込んでいるからではない。」
「お金は十分にあるから余計なお世話だ」
と言われるかもしれません。
ただ、この視点って結構大事だなと私は思います。
そもそも親がたくさんお金を使って”いい”私立の学校に入れても、それで子ども自身が”いい”人生を送れる要素になるかというと、「あんまし関係ないな」というのが私の感覚。
自分の周りをみていると、子どもの頃に私立に進学した優等生がそのまま大人になっても優等生かなのか、といったらそんなこともないですね。
逆に、公立に進学した落ちこぼれがずっと大人になっても落ちこぼれなのか、というとそんなこともないです。
だから人生面白かったりしますよね。
教育費の平均がいくらかかるのか、ということは確かに知りたいことなのかもしれませんが、それだけ調べて終わりにしても仕方ありません。
子どもの将来の教育費を見込む上では、例えばこんなことも考慮に入れておく必要があります。
- 子どもが大きくなるということは、それだけ自分も年齢を重ねているということ
- その時に自分の仕事はあるのか(リストラとか大丈夫?)
- 働ける健康状態になっているのか
- 住宅ローンの金利は上がらないのか(変動で借りている場合)
- 親の介護で費用がかからないのか
- 教育費を負担し終わった後、自分たちの老後資金は大丈夫か
人生には、3つの坂があるそうです。
「上り坂」、「下り坂」・・・えっ?もう一つは?
それは・・・
・
・
・
・
「まさか」です。
生きていれば、「まさか」なことは結構起こりますからね。
こういったことも含めて、子どもの教育費の計画を立てていきましょう。
とはいえ、たくさんある保険種類の中から最適なものを自力で選ぶというのは、酷なことではあります。
たくさんある保険を一人で選ぶの?という場合はプロに相談することを検討してみましょう。
「相談する」というと、「売り込まれるのではないか・・・」というイメージを持つかもしれませんが、実際はそうではないので安心です。
時間がなくて忙しい場合は、自宅まで来てくれて話をじっくりと聞いてくれるのもうれしかったりします。
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