ダメ男じゃなくてちゃんとした人と結婚したい!
こういう要望って当然ならが誰しもあると思うんです。
もし、
と言われたら、知りたいですか。
前回の記事では、信用情報についてお話しました。
今回はこれに関連して「信用スコア」について取り上げてみたいと思います。
中国では普及していますが、日本でも同じ様に普及するのでしょうか。
信用スコアとは?
信用スコアとは、個人の社会的な信用度を数字で表したものです。
100点満点とか1,000点満点とかで格付けされます。
持っている点数によって自分が格付けされ、日常生活の買い物やサービス利用の場面で、優遇されたり割り増し料金を請求されたりします。
場合によっては取引を断られる場面もあるでしょう。
このように、信用スコアが日常生活の中で影響を及ぼすようになります。
これまでも、個人の信用度を数値化したものが使われてきました。
例えば、お金を借りるときです。
金融業界では以前から「クレジットスコア」という審査用の点数付け(スコアリング)をしており、それによって、融資の可否や上限額、適用金利を決めていました。
これに対し、信用スコアは、賃貸マンションを借りる際など、融資を受ける以外の場面など幅広く活用されることになります。
信用スコアは、中国で圧倒的に普及しているスマホ決済での取引情報や、政府のバックアップを受けて犯罪歴や裁判などの情報まで含まれ、点数もオープンにされます。
日本で言うなら、マイナンバーのシステムに様々な情報が蓄積され、点数化されるようなイメージです。
スコアの算出にはどんなデータが必要?
信用スコアを算出するためにはどんなデータが必要でしょうか。
アリペイを始めとする中国のアリババグループの「芝麻信用」の場合、グループの事業を通して集まるデータと、中国政府が持っているオープンデータを活用しています。
指標は以下の5つです。
- 身分特質:年齢、学歴、職歴など個人情報
- 履約能力:預金、株式、車、住宅などの資産情報
- 信用歴史:ネットショップでの購買履歴、ローンや公共料金などのクレジット情報
- 人脈関係:SNSでの友だちの数や質、発言などの交流情報
- 行為能力:購入したモノ、使ったサービス(ゲームのプレイ時間など)、寄付の有無や金額などの行動情報
ほかにも、
- 交通違反
- 犯罪歴
- 裁判記録
- 賠償金の支払い状況
など、かなり幅広く細かい情報が使われます。
スコア算出の方法とスコアによる判定
芝麻信用の場合、蓄積された膨大な情報(ビッグデータ)は、AIで350〜950点に点数化されます。
- 699~650→信用優秀
- 649~600→信用良好
- 599~550→信用中等
の3つは点数帯から、この範囲に多くの利用者はこの範囲に集中すると読み取れますね。
評価600~649の「信用良好」あたりが標準で、550を切ると努力が必要、逆に評価が700の大台に乗っていれば、かなりいい線を行っていることになります。
正規分布のイメージでしょうか。
「芝麻信用」の場合、アプリを開けば自分の現在の点数を確認することができます。
点数の改定は毎月上旬に行われ、まるで成績表をもらうように、ドキドキしながらアプリを開いてみるという人もいるようです。
信用スコアのメリット
個人レベルのメリット
信用スコアが良好であれば、個人レベルでは例えばこんなメリットがあります。
- 賃貸サイトでの敷金が不要になる
- 旅行サイトでホテルを予約する際のデポジットが不要になる
- レンタカーサービスのデポジットが不要になる
- 街中で傘や充電器を無料でレンタルできる
- ビザがとりやすくなる
- 進学時の内申点に反映される
- 就職・転職の書類審査や面接で有利になる
- 賃貸物件の入居審査がスムーズになる
- クレジットカードの新規発行申し込みがかんたんになる
- 住宅ローンで組む際に金利などの条件が有利になる
- 婚活でモテる可能性が高まる
信用スコアを導入すること自体のメリット
信用スコアの制度を導入することは、社会的にも意味があります。
- 品行方正な生活を送る人が増えることにつながる
- 審査の手間とコストが省ける
- 個人情報を開示しなくて済む
品行方正な生活を送る人が増えることにつながる
スコアが高くなれば上記であげたように多くのメリットがあります。
そのため、スコアをより高められるように社会的に正しい生活をする人が増え、犯罪などが減る可能性があります。
審査の手間とコストが省ける
お金を貸す、家を貸す、車を貸すなどの際に行う与信審査は、借りる側にも貸す側にも負担が大きいものです。それが点数だけでできるのであれば、楽になります。
個人情報を開示しなくて済む
現在、何かの審査時には、年収から何から、様々な個人情報を提供する必要があります。
信用スコアであれば、点数だけなので、逆に個人情報を出さずに済むという面もあります
信用スコアのデメリット
メリットばかりではありません。デメリットもあります。
個人レベルのデメリット
もし、信用スコアが逆によくなければ、上記で掲げたものと逆のことが起きます。
信用スコアの制度を導入することのデメリット
- 差別や転落を生む可能性がある
- 情報流出された場合の被害が大きい
- 国や企業に利用されやすい
- 裏技や詐欺に狙われやすい
差別や転落を生む可能性がある
信用スコアが低い場合は合法的な差別が行われるようになります。
そして、一度信用が落ちると上がりにくい仕組みなので、自暴自棄になり逆に凶悪な犯罪が起きる可能性もあります。
この世に完璧はありません。
情報流出された場合の被害が大きい
これを考えると恐ろしいですよね。
国や企業に利用されやすい
例えば、クレジットの利用をリボ払いにするとスコアがあがるみたいになっていたら、国や特定の利権者に搾取される可能性が高まる
裏技や詐欺に狙われやすい
点数をあげるために不要なものを分割で買うなど本末転倒なことが中国では起きているようです。
信用スコアを上げる傾向と対策情報が飛び交っているんですって。
クレジットカードのポイントをもらうために、不要な買い物するようなもんですね。
信用スコアは日本で普及するのか~私の視点~
日本で信用スコアは本格的に普及するするでしょうか。
すでに、ソフトバンクとみずほ(Jスコア)、ドコモ、LINEが信用スコアの事業を開始しています。
正直なところ、現時点で私は抵抗感があります。
私がもし自分の信用スコアを出してみたら、”そこそこ”いいスコアが出るんじゃないかと思います。
だから例えば、新たな不動産の投資案件でローンを組むとしても、取り寄せる書類やサインする書類の数はぐっと減るでしょう。
金利も優遇してもらえるかもしれません。
また、北海道とか沖縄とかに旅行してレンタカーを借りても、保証金を求められることなく、簡単な手続きですんなり借りられるでしょう。
じゃあ、信用スコアの日本での普及に大賛成なのか、というとやっぱり現時点では微妙なのです。
なぜなのか。
やっぱり窮屈さを感じるからではないでしょうか。
例えば、婚活でパートナーを探す上で、決め手になったのは事前にわかる相手の信用スコアだった・・・みたいなことが普通になる世の中って、なんか薄ら寒さを感じます。
結婚した後も幸せでい続けられる保証なんてしてくれないですよね、きっと。
仮に離婚とかしたら、今度は信用スコアが下がってしまうので、仮面夫婦を続けることを選択をする人がいてもおかしくないかなと思います。
一方で、品行方正になろうとする人が増えるきっかけになるのは、社会にとってプラスですし喜ばしいことです。
人から借りたものはキッチリ返すみたいなことは当たり前なんですが、それができない人も一定数はいますからね。
ただ、人間なのですから、たまには羽目を外したいときだってあるはずです。
小学校のときに、「ちょっと男子!ちゃんとしなさいよ!」「先生~、男子が掃除当番サボってます~」みたいなタイプの子がいませんでしたか?
私の勝手なイメージでは、そういうなんというか白黒ハッキリさせたい、なんでもキッチリカッチリやらないと気がすまないというタイプの人は、高得点が期待できそうです。
でも、私はそういう完璧主義的なタイプではなく、6割7割で行ってみよ~なタイプなので、ちょっと生きづらくなりそうな予感がしています。疲れそう・・・
そういう意味では、個人的には信用スコアはまだ普及しないでもいいかな~って思います。
中国では、当たり前のように普及しているようですが、その理由は社会主義的に情報一元管理されているからではないでしょうか。
プライバシーもへったくりもないから、中国政府がやると言ったら短期間で実現できるんですよね。
日本は中国とは事情が違いますからね。
ただ、実際には日本でも信用スコアが普及していく方向で進んでいますよね。
もし信用スコアが日本でも広く普及したら、その時は私も信用スコアを受け入れざるを得ないでしょう。
なぜなら、信用スコアが当たり前になった世の中では、逆にスコアを取っておかない方がむしろ生きづらくなるからです。
銀行から融資を受けようと思ったら、「あなたは信用スコア取ってないから、金利3倍ね!」みたいな。。。(汗)
あなたはどう思いますか。
あなたの考えや感想を聞かせてくれたら嬉しいです。
(余談)芝麻信用について
中国で最も利用者の多い信用スコアの会社は、アリババグループの「芝麻信用」で、決済アプリ「Alipay(アリペイ)」は5億人以上の人が利用するサービスです。
「芝麻」と書いて「ジーマ」と発音し、日本語でいうところの「ゴマ」という意味があります。
私は最初聞いたとき、なんでゴマなんだろう?と疑問に思いました。
個人単位で小口なので、小さいって意味で“ゴマ”なのかなと勝手に想像していましたが、それは間違いでした。
芝麻というのは、『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)の「アリババと40人の盗賊」に登場する呪文「開けゴマ」に由来するとのことです。
そもそも、「開けゴマ!(OpenSesami)」って聞くことあるけどなんだっけ??とふと思ったので、「開けゴマ とは」とググってみると、トップに現れたのはゴマ油で有名な「かどや」さんのサイトでした。
(私の中でごま油と言えば、かどやさんです。いつもありがとうございます。w)
そこにはこんなことが書かれてありました。
なかなか興味深かったので参考までにシェアしますね。
「アリ・ババと40人の盗賊」の話が作られた時代、中近東地域では、ごまは油を搾るための重要な農作物として広く栽培されており、貴重な財源=宝物として重用されていました。お話のなかにも「魔法の霊験に通じる神秘なごま」という表現があり、ごまには神秘な力があると信じられていたようです。
ごまは成熟後乾燥させると、種子の詰まったさや(さく果)が割れ、なかの種がはじけ出ます。このことから「開けごま!」とは、パッと勢いよく開く様子を指して使われる当時の慣用句だったともいわれています。「開け、ごま!」の呪文は、「ぎっしり詰まった大切な宝よ、早く出て来い!」という願いが込められているのでしょうね。
出典:かどや
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