今日はこんな疑問について解説していきます。
言いたいことは、「両手取引」をガンガンやる仲介会社は避けましょうねってことです。
あなたはもしかしたら
「大手不動産会社なら安心だ」
なんて思っていませんか。
それ、大きな誤解です。
実は大手不動産仲介会社こそ、両手取引を行っている張本人なのです。
実名のデータから明らかにしてきますので、ぜひ最後までお読みくださいね。
この記事は、
という話をしてきた流れを組んだものです。
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不動産広告の目的と高い査定額の理由
自宅のポストに不動産会社のチラシが入っていたことはありませんか。
「スグに欲しい人がいます!」
「高額の査定を出します!」
みたいに謳っているやつです。
かなりピンポイントな条件で書かれていますけど、本当なのでしょうか?
ゼロとは言いませんが、ほとんどの場合嘘です・・・
でもマンションを売却したいと思っている人にとっては、気になる情報です。
だから半信半疑であっても、チラシを片手に問い合わせをしてみたりします。
この、気になる人に「問い合わせをさせる」というのが、不動産広告の目的です。
売却を検討しているマンションの査定を依頼してみると、思いのほか高い査定額が出てきます。
なぜ、高い査定額が出てくるのでしょうか。
その理由は、ただ専任契約を結びたいからです。
売主のために物件を高く売りたいからではなく、高度な専門知識で精査したからでもありません。
売主に専任契約を結ばせれば、他の不動産会社を排除し、両手取引に繋げることができます。
そうすれば、片手取引の2倍近い手数料を受け取れる可能性が高まります。
※「片手取引」って何?「両手取引」って何?っていう場合は、こちらをご覧ください。
両手取引を狙う不動産仲介会社はどこ?
片手取引であれば、不動産仲介の手数料率は3%ですね。
片手取引を行っていれば、会社の手数料率も3%ほどに落ちつくはずです。
ところが、不動産会社の手数料収入を取扱高で割って算出した手数料率は、3%以上あるところがあります。
上位10社は以下の会社です。
大手不動産会社の不動産売買の手数料率(試算・2018年版)
出典:ダイアモンド不動産研究所のデータからrobust-lifeが作成
住宅新報WEB「主要流通各社の16年度仲介実績」のデータ(2018年3月期)を基に作成。
手数料率は、手数料収入を取扱高で割ったもの。
これをみると、手数料率が5%を超えている不動産仲介会社があります。
ここから、両手取引で稼いでいる大手仲介会社の実態が浮かび上がってきます。
全取引のうち、両手取引に持ち込んだ比率を見てみると、60%を超えている不動産会社もあります。
出典:ダイアモンド不動産研究所のデータからrobust-lifeが作成
住宅新報WEB「主要流通各社の16年度仲介実績」のデータ(2018年3月期)を基に作成。
これはもう会社組織として、営業マンに両手取引を狙うように指示しているんだろうなって想像できますよね。
住友不動産販売なんて如何にも典型的な感じがします。
「住友って旧財閥系の大手だし安心~♪」なんて考えちゃいけませんよww
両手取引を成立させるまでの流れ
例えば、3社に物件売却のための価格査定を出したとします。
A社:2,800万円
B社:3,000万円
C社:3,500万円
どの不動産仲介会社に依頼したいですか?
3,500万円・・・気になりますよね。
「こんなにも高く評価してくれてるのか!」
「もしかしたら、その査定額で売れるかも・・・」
って、気持ちがグラグラ揺れますよね。
C社のようなところと専任契約を結ぶと、あとは不動産仲介会社手動で事が運びます。
高額な査定したからと言って、必ずその額で売れる訳ではありません。
というか、市場価格から乖離していると、問い合わせすらきません。
仮に他の不動産会社から3,500万円で買いたい人がいると引き合いが入っていたとしても、売主に取り次ぐことはありません。
両手取引を狙っているからですね。
売主には「問合せが全然入りません。」とかしゃーしゃーと言ったりします。
そして、
「近くにライバル物件が出てきました・・・」
「床の傷やタバコの汚れがマズイですね・・・」
などと言って、売出価格の値下げを切り出してきます。
売主の気持ちとしては、
「スグにでも欲しいという人がいると言ったじゃないかぁ!!えぇぇぇ~~!?(怒)」
と言いたくなっちゃいますよね。
ただ、不動産会社からは、
「いや~、その購入を希望していた方は、ローンの審査が通らなくなってしまって・・・」
と表面的には残念そうな顔をして、言いくるめらてしまうのがオチだったりします。
C社のような両手を狙う不動産会社にとっては、そんな売主のクレーム(?)など想定内なのです。
マンションの売却で損をしないために
私が今マンションを売却するとしたら・・・こんなふうに動きます。
- データをもとに、両手取引をする傾向のある仲介会社を避ける
- 媒介契約を結ぶ仲介会社に「両手はしないですよね!?」と念押しする
- 複数のポータルサイトに物件が掲載されていることを確認する
- 「囲い込み」が怪しければ、買主のような顔して他の不動産会社経由で問い合わせる
- 「囲い込み」してると判断したら、別の不動産仲介会社と媒介契約を結ぶ
※「囲い込み」とは、仲介手数料を売主と買主の両方から受け取るために、売主から預かった物件を自社で囲い込み他社には紹介しない行為です。これは、売主に対する背信行為と言えます。
売主から仲介会社に「両手はやらないでくださいよ」と念押しすることは一定の効果があると私は考えます。
不動産業界の収益の源泉は、情報の非対称性です。
相手(顧客)に知識がないところに、不動産業者はつけ込んでくる傾向があります。
「両手取引」「囲い込み」という言葉は、不動産業界用語なので一般の人にはわかりません。
もしこういう言葉を売主の側から口にすれば、物件を預かる仲介業者としては「あっ、このお客さんにはいい加減なことはできないな・・・」と抑止力に繋がります。
ただそれでも、両手取引に持ち込もうとするのが不動産業界だったりします。(笑)
全然引き合いがなくて、「囲い込まれてるのかな・・・」と怪しく思った場合、全く別の不動案会社経由で、媒介契約を結んだ仲介会社に”買主の顔をして”問い合わせます。
ここで、両手取引の業者の場合は「すみません、すでに申込みが入ってしまいました」などと言って、その紹介を断ります。
申込が入っていたら、仲介会社から売主に連絡が入っているはずですから、「嘘をついている」ということになります。
もし「囲い込まれている」と判断したら、別の不動産仲介会社に媒介契約を移しましょう。
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