住宅ローン控除「入門編」。
受けるための条件や計算方法、制度の内容を解説します!
住宅ローン控除、受けるの?
最近、マイホームを購入した知人に尋ねてみました。
え?実はよく知らない???
マイホーム購入1年生にとって、住宅ローン控除は、
「今さら聞けない。」
「わかりそうで、よくわからない。」
ですよね。
というわけで、今回は住宅ローン控除を受けるための条件や計算方法など、概要を一緒に見ていきましょう!
住宅ローン控除とは?わかりやすく解説!
住宅ローン控除は、
「マイホームの購入・建替え・増改築工事するために住宅ローンを組んだ場合、年末時点のローンの残高に応じて、所得税から”一定額”を差し引けることができる制度」
です。
つまり、本来支払うべき所得税を節約できるということですね。
では、所得税から差し引く(控除)できるのは、いくらでしょうか。
具体的には、年末時点の住宅ローン残高の1%です。
この住宅ローン控除のメリットが受けられるのは、
- 最長で10年間
- 上限金額は、年40万円まで(一部物件※は年50万円まで)
となっています。
※認定長期優良住宅や低炭素建築物など
ちなみに、住宅ローン控除の正式な名称は、
「住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除」
といいます。
いかにも難しそうな名称…。
でも、
所得税が控除される=所得税の支払額が少なくなる
ということであれば、適用されるかどうか、確認する価値はありそうですね。
そうなると気になるのは、控除を受けるための条件です。
どのような条件があるのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
住宅ローン控除を受けるための条件(年収や残高など)は?
住宅ローン控除を受けるための条件を挙げてみました。
- 住宅ローン控除を受ける本人が居住すること(賃貸用の物件、別荘は不可)
- 住宅ローン等の返済期間(償還期間)が10年以上であること
- 住宅ローン控除を受ける年の年収が3,000万円以下であること
- 購入する物件の床面積が50㎡以上であること
さらに、物件が中古の場合は、
- 耐震性能を有していること
- 耐火建築物は築25年以内、非耐火建築物は築20年以内であること
という条件が加わります。
この条件にあてはまらない中古物件は、
- 所定の耐震証明
- 既存住宅売買瑕疵保険の加入
などにより、住宅ローン控除を受けられるようになりました。
また、増改築等については、
- 工事費用が100万円以上であること(バリアフリーのための改修、省エネのための改修も含む)
住宅ローン控除を受けるためには、上記の条件を満たしている必要があります。
その他に、マイホームを売却した場合に受けられる特例が適用されていた場合、一定期間は住宅ローン控除と重複して受けることができません。
たくさんの条件がありますが、住宅ローン控除を受ける予定の方は、この条件にあてはまっているかどうかよく確認してみましょう。
住宅ローン控除の計算方法は?
住宅ローン控除は、控除を受ける年の年末の住宅ローン残高の1%ということについては、ご説明したとおりですので、計算式は以下の通りとなります。
所得税 ― 住宅ローン残高の1%
ということになります。
住宅ローン控除の計算例
具体的な計算例を以下に示します。
住宅ローンの年末残高:3,000万円
その年の所得税:35万円
である場合、
住宅ローン残高の1% = 3,000万円 × 1% = 30万円
所得税 = 35万円 ― 30万円 = 5万円
ということになります。
つまり、納税する所得税が35万円から5万円になったということです。
かなりの節税ですよね。
簡単なので、エクセルを用いて計算する必要もないくらいです。
注意点としては、放っておいても「お上(=税務署)」が自発的に所得税を減額してくれるわけではないということです。
年度末に確定申告を行う必要があります。
この確定申告の手続きや書類などについては、ちょっと手間がかかりますので、別の機会に、じっくりご説明しますね。
住民税からも控除できる?上限(限度額)や還付方法を解説!
ではもし、所得税よりも住宅ローン減税で控除できる額の方が大きかったらどうなるでしょうか。
例えば、所得税が35万円、住宅ローンの年末残高の1%が40万円といった場合です。
控除しきれなかった5万円(35万円ー40万円)は、もったいないと感じますよね。
でもご安心ください。
こういった場合、住民税からも控除できます。
しかも、個人住民税からの税額控除を受けるための還付方法は簡単です。
実は自動的に個人住民税からの控除が行われますので、特別な手続きは不要です。
ただ、注意点として住民税から控除できる額には上限(限度額)があるということです。
上限額は13万6,500円です。
まとめ
住宅ローン控除の入門編として、制度や控除を受けるための条件、そして計算方法についてお伝えしてきました。
マイホームの購入は、人生の大きなポイント。
お金もたくさんかかります。
こういた制度を賢く利用して節税することで、少しでも出費を抑えたいもの。
もし、控除を受けることができたら、全部パァっと使ってしまわずに、修繕費など今後の予期せぬ出費のために残しておきましょう。
今回もお読みいただきありがとうございました。
住宅ローンとの付き合い方もこちらで詳細にまとめていますので、ぜひお読みくださいね。
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