突然ですが、あなたは会社員生活の中で影響を受けた人はいますか?
今回は会社員生活の中で、私に特に影響を与えた2人についてお話したいと思います。
- ひとりは、私に仕事を教えてくれた人(西中さん(仮名))
- もうひとりは、私を干した人(野河さん(仮名))
です。
この2人は、仕事への取り組み方や会社での処世術について、全く対称的でした。
私は時期を別にしてこの2人の下で働き、学んだことがありますのでそれをシェアします。
そして私は、どちらの教えを取るかを選択したのです。
ところで、ベストセラーになった本「金持ち父さん貧乏父さん」には、本当のお父さんともうひとりのお父さんが出てきましたよね。
主人公の少年が2人の父の異なる教えのうち、どちらの教えを取るか(選択するか)とストーリーは展開していきました。
あんなイメージで、私も選択をしました。
これってもしかしたら、あなた自身の働き方・生き方を選択するのに参考になるかもしれないな、と思いました。
本当はとっても恥ずかしくて、ずっと内に秘めていたものなのですが、赤裸々に告白することに致します。
西中さん(仮名)の働き方・生き方
まず私は、海外関連の投資や融資を行う本部にある、西中さんの部署で働きました。
ココは、投資案件を組成する部署です。
会社(ペーパーカンパニー、SPC)を設立し、そこが金融機関から金を引っ張り、投資家を集め、モノを購入し、それをとある業界の大手企業に貸し出すという仕組みを作っていました。
この業務で必要になるのは、税務会計、法律、金融/ファイナンスなど、多岐に渡る実務知識です。
西中さんは、どの分野も熟知していて、仕事ぶりも傍らで観察していると、武者震いするくらい凄かったです。
例えば、取組に必要な英文契約書は、日本の超大手弁護士事務所が担当するのですが、そこのパートナー弁護士を論破しちゃったことがあるんです。
そんなときでも、「まぁ法律のことは、私(西中)はどこまで行っても、素人なんで。」と冷静な振る舞い。
(そんなこと言われたら、パートナー弁護士だって立場ないでしょ^^;)
こんな感じなので、西中さんはご自身の上司に対しても詰め寄る場面もありました。
そんな西中さん、モーレツ会社員かというと、全然とんなことはありませんでした。
例えば、メジャーリーガーのイチロー選手がスーパープレーをしても冷静でいるように、凄いことでもごくフツーにやってのけていました。
また、「今日はもう帰るわぁー」とか言って、終業前にスタスタと帰って行きます。
「残業しないと仕事終わんないってヤバイよね」みたいなスタンスの方だったのです。
私は、この西中さんから仕事や仕事への向き合い方を教えてもらいました。
西中さんに要求される仕事のレベルは高く、かなりハードでしたが、私は仕事が楽しくて仕方がありませんでした。
ところが、転機が訪れます。
機構改革があり、本部長肝いりの新たな部署ができたのです。
新規事業に取り組むその部隊には、本部の部署をまたいで何人かピックアップされて行きました。
そしてその中に私が選ばれることになったのです。
選ばれたこと自体は喜ばしいことではありますが、私としては「もっともっと西中さんから学びたい!」と思っていので残念な気持ちでいっぱいでした。
野河さん(仮名)の働き方・生き方
そして新部署では、野河さんの下で働くことになりました。
この方は、西中さんとはスタイルが正反対の方でした。
「もう~大変!大変!」が口グセで、「オレ全然休み取ってないよ~」と言っている表情は、どこか誇らしげな感じでした。
夜遅くまで残業するのは当たり前。
これはサラリーマンのあるあるなのかもしれませんが、周りが閉口していたのは次のようなことです。
- 自分が送るメールには、関係ない人もBCCに入れる
- 受信したメールは全て印刷し、机に積み上げる
机に積み上がったメールについては、周りに「見て見て!こんなに高くなってるよ~」と大げさに言いまわっていました。
とにかく、「オレって仕事してるんだぞアピール」がもの凄かったです。。。
私の働き方・生き方の選択
で、それに対して私はどのように対応したか。
他の人はうまく野河さんに歩調を合わせ、顔色を伺い、特にやることもなくても付き合いで遅くまで残業していました。
空気を読んで忖度し、うーまーく立ち回っていたんです。
おそらくこれが世間一般では、ごくごくふつーの対応策なのでしょう・・・
ザ・会社員の処世術です。
私は、西中さんと野河さんのギャップの大きさに大いに悩みました。
ただ、頭ではわかるものの、不器用な私には他の人のようには到底できません。
私が働き方として選択したのは、西中さんの教えです。
(当時子供が生まれたばかりで、子供の体調が安定せず早く帰りたいというのもありましたし)
私が会社から干された日
私はもちろん、就業中の仕事はキッチリとこなしました。
西中さんの教えを実践することで、お釣りがくるくらいのパフォーマンスを出していたと自負しています。
野河さんもきっと分かってくれるだろう・・・という淡い期待を抱いていました。
でも、やっぱり私はサラリーマンのクズだったのです。
年末の最終日、私は有給休暇を取っていました。
何故なら、子供が入院していたからです。
ところが、突然呼び出しがかかり、スーツに着替えて会社に行ってみると、異動を言い渡されたのです。
異動先は、自分がこれまでアナリストの資格などを取得してスキルを磨いてきたこととは、まるで関係のない業務を行う合弁会社。
つまり、出向です。
自分が干されたことがスグに分かりました。
西中さんと野河さんの後日談と私の気づき
その後の私については、また別の機会にお話できればと思いますが、その後の西中さんと野河さんがどうなった。
実はこんな風になりました。
- 西中さん:会社の給料以外で資産を築き、50歳でアーリーリタイア
- 野河さん:会社の役員(常務取締役)になったが、間もなく体を壊し退任
あなたはどんな感想を持ちましたか?
あなただったら、どちらの働き方・生き方を選択しますか?
恐らくほとんどの方は、会社員であれば野河さんがモデルケースになるのでしょうか。
サラリーマンはなんだかんだで安定しているし、上場グループ会社の役員にまで上り詰めれば成功者です。
私もできるのものであれば、そういう生き方がいいのかなと思います。
でも、私は不器用な人間そのものなので、やりたくてもそんな生き方はできないです。
この件を通して、私は会社の中で生存するには、資格とかスキルとか全く関係ないんだなという気づきに至りました。
自分で稼げる実力をつけ、他人の人生ではなく自分の人生を生きたいと感じます。
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