それは、ある日突然やってきた。
ある朝、職場についてパソコンを開きメールを確認すると、一斉配信で人事部からのメールが。
メール本文の内容は、早期退職を募集するもので、退職日は3ヶ月後となっていた。
これは、早期退職した私の知り合いの話です。
近年、企業の業績不振や、事業再編などによって早期退職を行う企業が増えてきましね。
最近のニュースを拾ってみると・・・
- 富士通
- 東芝
- 日本電気(NEC)
- カシオ計算機
- コカ・コーラ
- アルペン
といった会社名があがっていました。
これらの企業が実施した早期退職の対象年齢は45歳からとなっていました。
「一部上場企業の社員だから今後も安泰だ」なんてベンベンとサラリーマンやってるのは、「頭の中お花畑」状態と言えるでしょう。
Aさんの場合、募集から退職日までの期間が短いこともあり、転職活動はうまくいきませんでした。
40代後半となると、なかなか条件に合う企業は見つからないですよね。
Aさん曰く、
退職金は割増で貰えたとしても、収入源は失業保険のみになってしまい当初は困った・・・
とのことでした。
企業が早期退職の募集に踏み切るメリット・理由
企業が早期退職制度を実施する最大のメリットは、人件費の削減です。
会社にとって人件費は固定費です。
固定費は、会社の売上があってもなくても、ある程度一定に発生する経費のことです。
「今月会社の売上少なかったから、来月の給料は時給300円ね~。」なんてことはできませんよね。
売上の業績が順調に伸びていれば、人件費を吸収することができます。
ただ、かつてのようにモノを作れば売れる、という時代ではありません。
これまでの勝ちパターンが通用しなくなっていて業績が下がってきているのに、経費(人件費)が固定的かかると、利益は下がり、もしくはマイナスに転落します。
そうなると、株主は黙っておらず、企業に対してリストラを要求するようになります。
会社は誰のものか、それは従業員のためではなく、株主のものなのですね。
そこで、早期退職制度を導入します。
人件費が高い年齢層の従業員を早期に退職させる
↓
経費が圧縮できる
↓
利益上昇要因
↓
株主満足
という構図です。
会社の組織としても、不要な役職を減らすことができ、組織の若返りが期待できます。
そのため、企業としては割増しの退職金を一時的に払ってでも、高コストな社員に辞めてもらいたいのです。
早期退職するメリットとしない場合の不安
社員が会社の早期退職制度に応募する理由は何でしょうか。
応じるメリットがあるはずです。
早期退職した人が実際に口にしていたのは「退職金の増額」でした。
ただ、このメリットだけで早期退職に飛びつくわけではありません。
早期退職に応じなかった場合のその後の不安を感じたから、というのも理由となります。
この先、もしかすると整理解雇が待っているかもしれない。
という恐怖感がもたげて来るのです。
漠然とした不安感・恐怖感が自分の中で幅を利かせてくると、「それなら割増の退職金を貰って、転職や起業の準備をしよう」と考えに至り、希望退職に応じてしまうようです。
40代で早期退職をすると、割増で退職金を貰えるとしても、これだけを頼りに老後の人生設計はできません。
普通に会社に勤めているとしたら、あと定年までは20年近くらいあるのですから。
ある日突然、早期退職の募集が始まってから、あわてて転職先を探すのは得策ではありません。
準備が追いつかず、できたとしても年収など条件の悪いところに転職するかもしれませんからね。
早期退職で後悔しないために
早期退職で後悔しないようにするには、どうしたらいいでしょうか。
私の提案はまず、「まさか」は起こりうることを想定しておくことです。
そして普段から、自分で稼ぐチカラを身に着けて、会社の給料以外からも収入得る複業オーナーを目指しましょう。
また、これまでやってきたことを振り返り、自分の棚卸しするということも大事ですね。
転職するにしても、起業するにしても、自分を知ることができていれば、迷いはなくなります。
そしてもう一つ、日々勉強しましょう。
人間、新しいことを吸収しようというマインドがなくなったら、もう終わりです。
人に「やっといてクレ」と言ってるだけで、自分では何の付加価値を出せないオッサンは世の中にいりません。
私は40代に入ってから、10歳以上年下の師匠に大金を払って教えを請い、ネットビジネスをはじめました。
電車の中で、手で画面をクルクルなぞって丸いやつを消していくゲームに目がマジになってやっているオッサンとか、マジいらないと思います。
この記事を読んでくれているあなたは、そんなスマホゲームに没頭するタイプの人じゃないと信じていますけどね。
早期退職で失業保険はどうなる?
早期退職制度で退職した場合、会社都合退職となります。
そのため、失業保険を受給する場合、3ヶ月の待機期間をあけることなく受給できます。
また、40代後半ともなると、雇用保険の継続期間が20年を超している場合が多いでしょう。
45歳以上かつ20年以上雇用保険を継続してかけていた場合、失業給付は最大になります。
条件を満たしている場合であれば、長期で需給することができます。
そのため、焦って慣れない仕事に就かなくても、ある程度選ぶことが可能になります。
私の知り合いの方も、安心して転職活動が出来たと言っていました。
また、その人は、再就職手当や就業促進定着手当も受給対象となったとのことでした。
再就職によって、離職時の賃金日額を下回っている場合、このような一時金ももらえるのです。
早期退職制度で退職し、その後の転職で賃金が上回るということはほぼないかもしれません。
このような制度があるということを知っておけば、一時的にも楽になるでしょう。
ぜひ、参考にしてみてください。
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