ひきこもりの人って周りにいますか?
内閣府の調査で、自宅に半年以上閉じこもっている「ひきこもり」の40~64歳が、全国で推計61万3千人もいるというニュースがありました。
これは、15~39歳の若年層の推計54万1千人を上回る数字です。
東京都の杉並区や板橋区の人口が、約58万人ということを考えると、この61万人という数字は尋常ではありませんね。
またこの内の7割以上、つまり43万人くらいが、私と同じ男性というから、他人事とは思えません。
ハッキリ言って私自身も予備軍であるわけだし。
ひきこもりの期間も7年以上の人が、半分を占めるということもあり、深刻な実態が浮かび上がってきます。
今回は、私と同じようなおじさん達がなぜひきこもるようになったのか、その本当の原因や理由を明らかにし、解決の方向性について考えてみたいと思います。
中高年のひきこもりの原因や理由は?
調査によると、ひきこもりになったきっかけについて、こんなことがあげられていました。
ひきこもりのきっかけ | 割合 |
---|---|
退職した | 36.20% |
人間関係がうまくいかなかった | 21.30% |
病気 | 21.30% |
職場になじめなかった | 19.10% |
就職活動がうまくいかなかった | 6.40% |
40~44歳の層では、1997年~2001年の就職氷河期がきっかけとなり、ひきこもりが始まった人が目立つとの見立てをしています。
ひきこもりになる人の特徴って、まじめな人が多いんじゃないかな。
- 親や学校の先生の言うことをちゃんと聞いてきた
- 聞いていい子でいれば評価されてきた
- 他人の評価や評判を気にするようになる
- お勉強していい大学行って、大きな会社に就職することがいいと信じさせられてきtとされてきた
- でも、就職難の時期かあって叶わず、いきなりレールから外れちゃった
- 世間体を気にする親からは、レールに戻るプレッシャーを感じた
- 会社に就職しても、常に社内の評価や評判を気にしてる
なんかもう日本全体がそんな感じではないでしょうか。
言うことちゃんと聞いてきたじゃん!
お勉強してきたじゃん
周りに波風立てないようにうまくやってきたじゃん!
もう、どーすりゃいいんだよ!
という当事者達の心の声が聞こえて来そうです。
周りにも相談しなくなり、ひきこもりになっていくイメージでしょうか。
8050問題とは?
中高年で何年もひきこもっているということは、仕事に就いていない人が多いでしょう。
ひきこもっているといっても、生きているからには、どうしたってお金が必要になります。
飲まず食わずってわけにはいきませんからね。
一体誰が支援しているのかというと、年老いた親です。
これは、8050問題といって、20年ぐらい前ニートが流行したとき、ひきこもりをしていた子供が年をとって40代~50代になり、その親が70代~80代になってしまった家庭で起きている貧困問題です。
もはや子供に経済的に自立しろとも言えない、そんな時期はとっくに過ぎています。
親世代ももうとってくに現役を引退していて、現在は年金暮らし。
8050で高齢の親子の生活は、いくばくかの貯金と年金で凌いでいるという現実。
このままの状態がこの先ずっと続くわけがありません。
親が他界したら残された子供は・・・・?
今後、大きな問題が顕在化してくる可能性がありますよね。
8050問題の解決策は?
この8050問題を解決するには、どうしたらいいでしょうか。
専門家のコメントを見ていると、
- ひきこもりの人の周りの空気が変わっていかなければならない
- 行政がもっと支援を
というのが目立ちます。
もちろん、それも大事。
ただ、どんなに周りが支援したところで、結局は本人が「自分を変えたい!」「自分を変えよう!」と心を決めない限りは、何も変わりませんよね。
会社組織にサラリーマンとして勤めていると、社内でどーでもいい社内政治とか1円も儲からないことにエネルギーを使ったりします。
自分の頑張りとか能力が、ダイレクトに誰かの役に立ってるなとか社会に貢献できているかな、と感じられることは極めて少ないのではないでしょうか。
たとえサラリーマンで営業職をやっていても、自分の裁量で自由に決められるところって、限られているのではないでしょうか。
でも、「自分で直接稼ぐ」という行為という行為は、ダイレクトに社会とつながるきっかけを与えてくれます。
自分で稼ぐということは、自分で裁量を持ち、意思決定することです。
ひきこもっていても、パソコンとネットを使って、自分を発信していくことができます。
その発信に対して多くの人が反応すれば、ビジネスに繋がり、お金を生み出せる可能性が広がります。
最初は、気になるニュースなどへのコメントをすることがから始めてもいい。
プログラミングなどの技能を持っていれば、クラウドソーシングで仕事を請けることが可能です。
ネットの向こうの人は、受注する人がひきこもりかどうかなんてあまり関係ありません。
発注者にとっては、提供されるものが価値あるものなのかどうかが大事なのですよね。
ひきこもりでも、自宅のパソコンから自分でお金を稼げるようになる人が増えれば、8050問題の9割型は解決するんじゃないでしょうか。
だって、アホな上司に媚売る必要もないですし、親の年金に依存することもない、という状態になれば自然と本人に自信って生まれてくると思うんですよね。
この状態になれば、すでに雇われ脳から脱却していて、自分の人生のオーナーとして生きている実感が生まれているはずです。
家族にひきこもりがいた話と得た教訓
実は、私の身近なところで、ひきこもりはありました。
私と少し年の離れた兄はひきこもりだったのです。
ひきこもりになった原因は、ズバリ、学歴コンプレックスですかね。
彼は、有名私立大学に憧れて4回チャレンジしました。
「4回」ということは、現役のときと3回の浪人したときを含めて合計4回受験したということです。
私としては「たいして努力もしてしていないのに、よく親は3浪もさせるな・・・」と感じていました。
その疑問を親にぶつけてみると、「あの子は頑張るって言ってるから。やりたいようにやらせてあげたい。」との回答。
それでもやっぱり頑張ることはなく、だから当然ながら合格できず、結局は2ランク下の私立大学に入学しました。
そのことで学歴コンプレックスが大きくなり、その有名私立大学への憧れはどんどん大きくなっていきました。
大学卒業後はどうしたのかというと、大学院に進学しました。(文系ですが)
しかし途中ひきこもりなどいろいろあり大学院を3回変えました。
もちろん親は、大学院が変わる度にその度に入学金や授業料を払い続けていたのです。
私は何度となく親に「なんで、そんなことをするのか」と尋ねたのですが、答えはやっぱり「あの子は頑張るって言ってるから。やりたいようにやらせてあげたい。」との回答。
3浪の末、4年間私立大学に通い、その後3回大学院を変わり、文系大学院の修士課程を終わったのが、33、4歳。
卒業した大学院は、自分が憧れていた有名私立大学の大学院だったので本人は満足していたようですが、卒業するまで就労経験はゼロ。
そんな人間を、どこの企業が採用したがるというのでしょうか。
学生時代からひきこもりがちで、卒業後はニートを経て、ひきこもりながら長い就職活動の末、ようやく働き口を見つけました。
ただ、当然ながら稼ぎはワーキングプア並で、実家暮らしの独身という状況です。
関連記事:
この一連の経験から、自分が子育てする際の指針になっています。
- やる気があるなら子供にはチャンスをできる限り与えたい(でも期限は区切る)
- 自分の子供でかわいいというだけで、無尽蔵にお金を出さない(出せない)
- Fランクの大学に行くくらいなら、高卒で働かせる
- 大学というモラトリアムでダラダラするより、早く働いた方が学びが大きい
- 学校(大学or高校)を卒業したら、家を出て自分で生計を立てる(実家暮らしはさせない)
- 親の経済力は当てにさせない
もし、私の親が兄に対して、
- 大学受験で浪人しても1回まで。
- それでダメだったら、これ以上お金は出せないから働きに出なさい。
- 大学が人生の全てではない。
- 本当に大学で学びたければ、社会人になってから自分で目指せるよ。
と言っていたら、彼のその後の人生は変わっていたかと思います。
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