資産構築・運用・管理

投資と投機の違い・区別は?図解・シミュレーションで意味を分かりやすく解説

投資と投機の違いは?
投資と投機はどう区別するんだろう?

こんな風にモヤモヤしたことはないでしょうか。

投資をやったことがない人にとっては、投資=怖いもの、投資もギャンブルも同じと考えている方もいます。

お金の知識についてこれまで学ぶ機会がなかったから仕方がないことかもしれません。

そこで今回は、投資と投機の違い・区別について、図解やシミュレーションをしながらわかりやすく解説していきます。

なお私は、1級ファイナンシャルプランニング技能士・証券アナリストの資格を有し、資産運用会社での実務経験もあります。

投機とは?意味をかんたんに解説!

投機は、価格の変動(値動き)に着目して、短期間で利益(利ざや)を抜こうとする行為です。

対象となるのは、株式、為替(FX)、商品(原油・穀物・貴金属など)、債券、不動産、仮想通貨がイメージしやすいです。

投機は、短期的な値動き(価格変動)に注目するわけですから、極端な話対象はなんでもありです。

新型コロナ発生時のマスクだって、メジャーリーグで活躍する大谷翔平のベースボールカードだって、投機の対象になりえます。

投機家にとって、お金を投じたものの価値が上がるかどうとか、“そんなのカンケーねー”って話で、とにかく値動きに乗じて儲かればいいんです。

 

「安い時に買って、高くなったら売る」ことができれば、利益が得られます。

 

じゃあ、投機とギャンブルって違うの?

という疑問を持つかもしれません。

これについては別記事で、わかりやすく解説していますので、こちらの記事をお読みください。

投機とギャンブルの違いは?事例・図解で意味をわかりやすく解説

投資と投機の違いについてお話する前段階として、投機とギャンブルの違い・共通点について押さえておいた方が、ここから先の話もよりスッキリと理解できると思います。

投資とは?投機との違いをわかりやすく解説!

これ以上給料が増える見込みがあまりない一方で、年金とか医療とかの社会保険料は上がってきています。

可処分所得が減る一方で、老後資金をなんとせんと!と「投資」「資産運用」に関心を持つ人が増えてきました。

ただ、

投資ってギャンブルと同じでしょ?
投資と投機には違いはないのでは?

って考える人が多いです。

「投資」とは利益を得る目的で、株式・不動産・事業などにお金を投じることです。

 

なんだ、結局カネやんけ!

投資も投機もギャンブルも変わりはないじゃんか!

と思うかもしれません。

確かに、利益を得る、投下したお金を増やす、という目的は同じです。

でも、違いはあります。

それは、以下の2つの視点です。

  • 価値
  • 期間

 

投機は、価格の変動(値動き)に着目して、短期間で利益(利ざや)を抜こうとする行為だと説明しました。

お金を投じる対象の「価値」が増えるとか「そんなのカンケーねー」って話でした。

「はい、おっぱっぴー!」なんですよ(!?)

限られたパイを奪い合うゼロサムゲーム、これが投機でしたね。

投機のイメージを図解したのはこちらです。

 

一方、投資は、お金を投じる対象の「価値」が将来上がるかどうかに着目します。

投資のイメージを図解したのはこちらです。

お金を投じた対象の「価値」が増え、お金を投じた人(出資者)で分け合うプラスサムゲームです。

「パイを奪い合うんじゃなくて、価値を増やして分け合う」

違いますよね。

株式など資産の価値は増えていけば、分け合う利益のパイもどんどん膨らんでいきます。

注目するのは、短期的な値動きじゃありません。

投資では、より長期的な視点に立って、お金を投じた企業とか事業が「利益を生み出し、(企業)価値が向上し続けられるか」というところに注目します。

更に投資する上では、「そんな有望な投資対象の価値に比べて現在の価格が割安かどうか」っていう視点も大事になってきますけどね。

実は既にあなたも投資と投機を使い分けていたりしませんか。

「あなたの将来に“投資”する」とは言っても、「あなたの将来に“投機”する」なんて言いませんよね。

長期的な視点で人の成長(価値の増加)に期待しているから、「投機」じゃなくて「投資」という言葉を使うんじゃないでしょうか。

 

ここまで投資・投機・ギャンブルの違いを図解で解説してきました。

区別がつくようになったでしょうか。

さらに、もっと知りたい!という方のために、シンプルなモデルでシミュレーションしてみました。

数字が苦手!という方は、ここまでで結構ですが、より理解が深まると思うので、ご興味あればぜひ!

投資・投機・ギャンブルの違いをシミュレーションしてみた

Aさん、Bさん、Cさん、そしてDさんの4人がそれぞれ100(万円)ずつの手持ちで参加するギャンブル/投機/投資で考えます。

ギャンブルについては、胴元に持って行かれる「てら銭」を考慮しますが、「なんのこっちゃ?」という場合は、必ずこちらの記事を読んでから、こちらを読み進めてください。

投機とギャンブルの違いは?事例・図解で意味をわかりやすく解説

ギャンブルの損益シミュレーション(SIM)

4人が100(万円)を握りしめて、ギャンブルに参加します。

この段階で、投じたそれぞれの100(万円)の内、半分の50(万円)は胴元にてら銭として持って行かれます。

ということは、4人の合計で考えると、集まった400(万円)の内、200(万円)は胴元のポケットに入るのです。

ギャンブル自体は、何の価値も生み出していないので価値の増分はゼロ。

つまり、ギャンブル参加後に配当に回る原資は200(万円)です。(400-200(万円))

この200(万円)というパイを4人で奪い合います。

結果、Aさんが勝ち、賞金の200(万円)を手にしてヤッターとなります。

一方の負けた、Bさん、Cさん、Dさんは、投じた金を失い(;´д`)トホホとなるわけですね。

投機の損益シミュレーション(SIM)

投機の場合は、ギャンブルのてら銭に相当する手数料はほぼ無視できるレベルです。

なので、それぞれが投じた金額の合計は、ほぼ配当原資に充てることができます。

ただし、投機もギャンブルと同じく、お金を投じた対象の価値については考えませんから、配当原資自体が増加することはありません。

手数料を差し引いた396(万円)というパイを4人で奪い合います。

結果、Aさんが勝ち、賞金の396(万円)を手にしてガッツポーズします。

一方の負けた、Bさん、Cさん、Dさんは、投じた金を失い( ° 皿° ;; )負けた・・・となるわけですね。

投資の損益シミュレーション(SIM)

投資は、お金を投じた対象の「価値」が増え、お金を投じた人(出資者)で分け合うプラスサムゲームという話をしました。

投資の結果、200(万円)分の価値が増えたとします。

配当原資に価値の増分が加算されるので、596(万円)となります。

4人の参加者はそれぞれ100(万円)ずつお金を投じ合計400万円になっていますから、各人の出資割合は25%ですね。

配当原資の596(万円)を、出資割合に応じて「分け合う」と1人当たりの配当は149(万円)になりました。

手持ちの100(万円)を投資したことにより、49(万円)の利益を得ることができたわけですから、みんな(#^.^#)ニコニコです。

 

もちろん「投資」ですから、確実に価値が増えるってことはありません。

逆に価値を減ってしまうことだってあります。

こんなふうに・・・

まとめ

投資と投機の違い・区別について、図解で意味を解説してきました。

  • 投機は、価格の変動(値動き)に着目して、短期間で利益(利ざや)を抜こうとする行為
  • 投機の対象は何でもありで、その価値が上がるとか“そんなのカンケーねー”
  • 投機はパイを奪い合うゼロサムゲーム
  • 投資は、利益を得る目的で、株式・不動産・事業などにお金を投じること
  • 「価値」と「期間」の2つの視点
  • 投資はお金を投じる対象の「価値」が将来上がるかどうかに着目
  • 投資は価値を増やして分け合うプラスサムゲーム

でしたね。

さらに、シンプルなモデルのシミュレーションで、投資・投機・ギャンブルの違いについて理解を深めました。

投資が何かはわかった・・・

でも、元本割れするかもしれないから、投資は怖い、じっとして何もしないでおこう・・・

やっぱ、預金だけにしておこう・・・

ですって?

預金だけだと元本割れはしませんが、インフレで実質的な価値は減り、結局は損することになります。

なんだかんだ理由をつけて、じっとしていよう、今は動かないでおこう、いつかやろう・・・

という姿勢だとなんかもったいない。。。

人生もそうじゃないかな。

 

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