資産構築・運用・管理

共有名義不動産の末路|相続で持分が細分化する実例

不動産が共有名義になると何が問題なんだろう・・・

「共有名義の不動産はトラブルになりやすい」ということをどこかで聞いたことはありませんか。

今回は、相続で不動産が共有となり、そこから更に別の相続が次々と発生し、持分が細分化していった事例について取り上げます。

共有名義となっている不動産の謄本を入手し、そこから共有持ち分を有している人に私が実際にヒアリングしてまとめました。

せっかくの資産の価値が大きく損なわれ、時の経過とともに誰も何もできなくなっていく過程を垣間見えます。

これからお話するような事例は、日本のあちこちで起きているんじゃないかな・・・と。

所有者は誰?駅近の好立地にボロボロの木造アパート

私の自宅の近くに、好立地にある築古の木造2階建てアパートがあります。

部屋数は8つ。

建物はボロボロでアンテナも倒れています。

建物のまわりは雑草が生い茂り、人を寄せ付けない雰囲気が漂っています。

なんでこんな好立地に、こんな廃墟アパートがあるのかと不思議に思っていました。

好奇心もあり、謄本を取得。

共有名義人の一人はその物件のすぐ近くであることが判明。

そこから私は好奇心に駆られ、謄本に記載されていたその共有者の住所を訪ねてみることにしました。

インターホンを押して出てきたのは、お婆さん。

いきなり何の関係もない”おっさん(=私)”がいきなり訪ねてきて、さぞかし怪しかったと思います。(笑)

が、意外にも廃墟アパートの背景について語ってもらえました。

相続をきっかけに単独所有が共有に

謄本をたどると、もともとこのアパートは単独所有。

その所有者が他界して相続が発生し、子供4人で1/4ずつの共有となりました。

ここまでは謄本で確認できる内容です。

相続発生から、所有権の移転登記がなされるまで4年の歳月を要していたので、相続人の間ですんなり合意にいたらなかったことが想像できます。

共有名義人(独身)の相続発生で持ち分は他の兄弟達に

共有者へのヒアリングにより、謄本だけではわからないことも見えてきました。

まず、アパートは1/4ずつの共有名義となっていたので、兄弟は全部で4人かと思っていましたが、実は5人いるとのこと。

相続人の構成を整理すると、以下のようになります。

  • 長女A
  • 次女B
  • 三女C
  • 長男D
  • 二男E

最初の相続発生で、権利関係は次のようになりました。

相続により物件の所有権は、1/4(=25%)ずつに分割されたのですが、この後長男Dが他界します。

長男Dは、独身で妻も子どももいなかったので、法律上相続権は兄弟に分割されることになります。

ここではじめて、二男Eが共有持分権者として、加わることになります。

ただし、登記手続きはしていません。

この時点では、まだ相続人は兄弟姉妹のみですが、これが権利関係を複雑化させるきっかけになってしまったのです。

共有名義人(妻子あり)の相続発生で持ち分は細分化

次に他界したのは運悪く二男Eです。

二男Eには、妻と3人の子どもがいますから、二男Eの共有持分は4つに分割されます。

疎遠な親族同士が不動産を共有した結果

やがて、長女Aも他界します。

長女Aの相続人は子ども1人のみです。

なので、長女Aの共有持分は、長女Aの子が全て相続することになります。

これを整理すると共有持分は以下のようになります。

登記はされていませんが、これが現在の状態です。

共有名義人は、4人から7人に増えました。

兄弟の配偶者(二男Eの妻)やその3人の子ども達が共有持分を有することになったのは、問題を複雑化する結果となりました。

まとめ:共有状態の放置は固定資産を支払うだけの負動産になる

今回取り上げたのは、一つの土地建物が7人の共有となったケースです。

私が最初に話を聞いたのは次女B(持分31.25%)ですが、実はそのすぐ近くに二男の妻(持分3.13%)が住んでいました。

なので次女Bに、二男の妻の持分を譲ってもらうことを打診してみました。

ところが、次女Bは二男Eの妻にはいい感情を持っておらず「話したくもない」との由。

どうも次女Bにとっては自分は「本家」であり、二男Eの妻はあくまでも「本家の”嫁”」。「本家の嫁ごとにき人間に頭を下げられるか!」ということです。

こうなると、次女Bと二男Eの3人の子どもにも接点などあるはずもなく、長女Aの子どもとも疎遠になっています。

そもそも、共有持分のある相続人の中に、専門的な知識を有し状況を打開できる人はいません。

たとえ解決策を持っているとしても、共有者どうしに感情的なシコリがあり、話し合いのテーブルにつくこともなさそうです。

そして共有名義人達は高齢になってきており、人生のエンディングが近づいています。

次の相続が発生すると、更に権利関係が複雑になっていき、せっかくの資産を活かすことができず、単に固定資産税を支払うだけの「負動産」になりかねないので気をつけたいものです。

不動産の共有状態を解消する方法については、こちらに詳細に書いてますので併せてお読みください。

 

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