資産構築・運用・管理

レバレッジ効果の意味をわかりやすく計算例とバランスシートで解説!

レバレッジ効果って聞いたことあるけど、どういう意味だろう?

事例を用いてわかりやすく解説してくれないかな。

計算例なんかもあればいいな。

 

今回はそんな疑問を解決していきます。

レバレッジというと投資の世界での話だけかと思うかもしれませんが、実は多くの人が知らぬうちにレバレッジをかけて購入しているものがあります。

レバレッジ効果の意味とは?

「手持ちの少ないお金で、大きなお金を動かすこと」をレバレッジ効果といいます。

レバレッジ(Leverage)の意味は日本語で「テコ」という意味です。

少ない力で大きな物を動かすことができる「テコの原理」のように、少ない金額で大きな金額を動かすことができるから「レバレッジ」と呼ばれているんですね。

栓抜きや缶のプルトップなどが「てこの原理」を利用していますね。

レバレッジ効果の事例と計算

具体的な事例で考えてみましょう。

例えば、元本に対して5%の運用利回りが見込める投資案件があったとします。

もしこの投資案件に100万円をつぎ込めば、1年後には105万円になって戻ってくることが想定できますね。

ただ、今あなたの手元には10万円しかありません。

どうしますか?

投資する場合、選択肢としては、

  • 自己資金の範囲で投資する
  • お金を借りて投資元本を増やしてから投資する

という2パターンがあります。

レバレッジをかけずに投資した場合

自己資金の範囲内で投資をする場合、手持ちの10万円で投資することになります。

その場合、10万円を5%で運用するのですから、1年後に手にできる運用益は5千円です。

計算式で表すとこうです。

10万円☓5%=5千円(単純化のため税金は考慮していません。)

10万円の元本で5千円の運用成果です。

投資利回りは5%です。(5千円÷10万円✕100)

これが、レバレッジをかけないで行った運用成果です。

 

レバレッジをかけて投資する場合

次に、お金を借りて投資元本を増やしてから投資する場合を考えてみましょう。

誰かが90万円貸してくれたとします。

借入の金利は1%です。

投資元本は、自己資金と借入金額を合わせて100万円となります。

計算式で書くとこうです。

10万円+90万円=100万円

この投資元本100万円を5%で運用できれば、1年後の運用益は5万円となります。

100万円☓5%=5万円

1年後、想定通りに投資元本100万円と運用益5万円がもどってきました。

投資元本100万円のうち、90万円は借入していた分ですから、これに利息1%をつけて返済します。

利息は、9千円(90万円☓1%)ですね。

そうなると、手元に残る現金は、以下のように計算できます。

105万円-(90万円+9千円)=14万1千円

ということは、4万1千円もの運用益を手にしたことになります。

10万円の元本で4万1千円の運用成果です。

実に投資利回りは41%にもなります。(4万1千円÷10万円✕100)

これが、レバレッジ効果の事例です。

レバレッジ効果のメリットは?

レバレッジのメリットは、資金が少なくても大きな取引ができ、儲けを増やすことができることです。

先ほど事例をまとめると以下のようになります。

自己資金 借入 投資元本 運用益 運用利回り
レバレッジなし 10万円 10万円 5千円 5%
レバレッジあり 10万円 90万円 100万円 4万1千円 41%

 

そもそも10万円しか自己資金がなかったのが、借入した結果投資元本が100万円と10倍にもなったわけです。

10倍のレバレッジを効かせたのですね。

この結果、最初の元手10万円だったら運用利回りが5%だったものが、レバレッジをかけたことで41%に跳ね上がったのです。

投資効率があがったとも言えます。

自己資金の10万円だけで運用していたら5%ですから、えらい違いですね。

レバレッジ効果のデメリット・リスクとは?

レバレッジ効果のデメリット・リスクは、レバレッジをかければかけるほどハイリスクになることです。

先ほどの事例では5%の運用利回りを見込んで投資した結果、無事に5%の運用利回りを達成できました。

しかし、運用にはリスクが伴います。

高いリターンを得ようと思えば、その分リスクを取ることになります。

リスクって何かというと、「変動する」ってことです。

例えば、リターンが+5%を見込めるのであれば、-5%とマイナスにも振れる可能性があるということです。

このように、リスクとリターンは背中合わせです。

先ほどと同じように、手元の10万円で考えてみましょう。

レバレッジなしで投資して失敗した場合

自己資金の10万円を投資して-5%の運用成果の場合、元本は9万5千円となり、5,000円のマイナスです。

 

レバレッジありで投資して失敗した場合

10万円の自己資金に90万円の融資を受けて投資元本を100万円として投資し、運用成果が-5%の場合はどうなるでしょうか

この場合、1年後の投資元本は95万円となり、5万円のマイナスです。

運用益:100万円☓-5%=-5万円(マイナス)
投資元本:100万円-5万円=95万円

90万円は借入していたのですから、1%の利息9,000円を付けて返済します。

すると、手元に残る現金は、95万円-90万円-9,000円=4万1,000円となります。

もともと10万円手元にあったお金は、4万円1,000円に減ってしまいました。

ということは-59%の運用成果ということになります。

これが、レバレッジを効かせて運用したけど失敗した事例です。

自己資金 借入 投資元本 運用益 運用利回り
レバレッジなし 10万円 10万円 -5千円 -5%
レバレッジあり 10万円 90万円 100万円 -5万9千円 -59%

 

このようにレバレッジ効果は、運用がうまくいけばリターンが大きいですが、逆に振れると大きくマイナスに振れることにないrます。

リクスが大きいってことですね。

不動産投資やFXなどで破滅するのは、このパターンが多いです。

怖いですよね。

10倍のレバレッジなんて怖くできない・・・

やっぱりレバレッジなんてかけちゃいけない、投資なんてギャンブルだなんていう感想を持ったかもしれません。

でも、自分でも気づかないうちに人生をかけたレバレッジをかけている人が多いです・・・

住宅ローンで家を購入することもレバレッジ

 

賃貸は、家賃をいくら払い続けても自分のものにはならない。

でも今の家賃とローンの返済額が同じくらいなら、ローンを組んでこの物件を買うほうがいいですよ。

自分のものになりますし。

家賃を払い続けるなんてもったいないと思いませんか?

賃貸の家賃なんて、掛け捨ての保険料みたいなものです。

でもローンを組めば、家賃と同じくらいの支払額でマイホームが手に入るのです。

不動産は、人生で最大の資産ですよ。

住宅ローン組んでマイホームを購入したとき、こんなセールストークを聞いたことはなかったでしょうか。

単純な例で考えていきましょう。

300万円の自己資金で3,000万円の不動産を購入するということは、10倍のレバレッジを効かせた投資をしているのと同じことです。

自分の住む家だから投資ではないという人もいますが、購入した不動産を人に貸すのか、人に貸さずに自分で住むのかだけの違いです。

3,000万円のマンションを自己資金(頭金)300万円で購入したとします。

これをバランスシートで表すとこうなります。

左側の3,000万円がマンションの資産価値です。

右側の2,700万円が負債の住宅ローンで、その下の300万円が自己資金も部分です。

不動産は、時の経過とともに価値が減っていきます。

10年後はどうなっているでしょうか。

左側の1,500万円は10年後のマンションの資産価値です。

3,000万円から50%価値が下がったことを表しています。

右側の2,000万円は負債の住宅ローンです。

当初2,700万円の住宅ローンを組み、10年の間に700万円元本を返済してきました。

その下は300万円は自己資金です。

左右を見比べると、右側の方が大きくなっています。

住宅ローンの残債の方が、マンションの価値よりも大きくなっています。

なぜこういうことが起きるのか。

それは、資産価値もローンの残高もときの経過とともに減少していくことは一緒ですが、減少のペースに違いがあるからです。

下は、資産価値とローンの残高の推移を示したグラフです。

10年後は、マンションを1,500万円で売っても、負債の2,000万円は返済しきれず、借金が残る状態です。

この例では、800万円の債務超過の状況にあります。

投資効果でいえば、300万円の自己資金による投資で、800万円マイナスになっているのですから、利回りは367%のマイナスということになります。

もっとも住宅ローンなので、普通に返済を続けている限りは問題発生しません。

しかし、収入が減って返済が厳しくなったり、何らかの理由で家を手放さざるを得なくなったときに、問題が顕在化します。

まとめ

今回は、レバレッジ効果の意味をわかりやすく計算例とバランスシートを用いて解説してきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

役に立ったと感じていただけれたら、シェアなどしていただけると嬉しいです。

 

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