人生の目標は、持たないよりも持ったほうがいい。
「そりゃそうだ。」とは思う。
日本を飛び出して米国に渡り大活躍する大谷翔平選手が、「メジャーリーグ(MLB)に行きたい!」という目標を掲げたのは、花巻東高校の1年生の頃。
メジャーで活躍する壮大な夢(目標)を達成するために大谷選手は「目標達成シート」を作成したといいます。
ちょうど2017年に大谷選手のメジャー挑戦が決まったあたりに、この目標達成シートがメディアに取り上げられて注目されていました。
テレビのコメンテーターとかは、
- みんなも夢を持ちましょう
- 人生に目標を掲げましょう
みたいなことをしきりに言っていたことを覚えています。
確かに、大谷選手は凄い。
東北地方に住む1高校生が、「メジャーに行くんだ」と壮大な目標を掲げ、それを実現させたわけですから。
まさに、ジャパニーズ・ドリーム。
自分の子ども達にも、勧めてはみたい。
でも、ちょっと待ってクレ!!
私のように人生の折り返しを迎えた40代以降の人間も、こういう目標を掲げるべきものなのか。。。
私にだって、高校生の頃は夢や目標がありました。
高校から大学・社会人となり、叶った目標もあるけれど、どちらかというと叶わなかったものの方が多かった。
夢と現実の間に悩み、いくつ挫折してきたかわからない。
それは、大谷選手のように「目標達成シート」を作成しなかったからだ、と言われてしまえばその通りかもしれません。
40代となり、父親との死別とも直面し、この先の人生は思っていたよりも長くはないことを実感しました。
そんな私のようないい歳のおっさんが、「人生の目標を!」と今さらながら言われても、ピンとこないのが正直なところ。
だって例えば、
・メジャーリーガーになるとか
・ロックシンガーになるとか
・弁護士とか医者を目指す
とか言ってみたところで、現実的ではないことはわかっている。
40代、50代にとっては、「さあ、人生の目標に向かって邁進中」という人は少数派な気がします。
というのも、ネットやSNSで「人生の目標を失ってしまった・・・」といった書き込みを目にすることがあるから。
書き込みの悩みには、「・・・なんか、わかるわ~」と共感できるようなものもあります。
多分それは、同じような時代を生きてきたからこそ。
私は、「いいおっさんが今さら目標とか夢見てんじゃねーぞ!」とか言いたいのではありません。
そうではなくて、なんか現実路線で目標があってもいいんじゃないかと思うのです。
そこで今回は、人生の折り返しを迎えた40代からの「人生の目標」について考えてみたいと思います。
人生の目標がない4つの理由
そもそも、なぜ人生の目標がないのか、あるいは追いかけていた目標を達成したり失ったりしてから、次の目標がなかなかみつからないのか。
これは4つの理由があると私は考えます。
①「人生こんなもの」と達観しているから
40代ともなると、仕事・家庭での役割が大きくなり物事の分別がついています。
新たな事象が起きても、過去に経験してきたことや成功体験から対処方法がある程度パターン化できてしまうこともあります。
「分別がある」っていうのは、冷静に判断できるってことで、一般的には褒め言葉なんですけど、「情熱」とか「熱い思い」といったことと対極にあります。
「分別がある」も度が過ぎると、「まぁ、人生こんなもの」と捉えてしまい、人生の目標をあえて立てる必要も感じなくなります。
目標を持たず、何事も達観し日々淡々と過ごすことが身についてしまうことの問題点はなにか。
それは、自分自身は同じ思考や行動のパターンを続けて何も変わっていないと思っていても、自分の周りはどんどん変わって行ってしまうというところです。
そして次第に、「今までのやり方」「成功パターン」が通用しなくなってくる。
- 足で稼ぐ営業
- 長時間労働
みたいなものはその典型。
こうなると、下り坂のエスカレーターに乗っているようなもので、自分は動いていなくても、勝手に下の方に動いて押しやられていきます。
②他人の人生に振り回されているから
他人に振り回されて疲弊して行く人を私は何人も見てきた。
これが怖いのは、「忙しい、忙しい」と言って自己陶酔してしまうことです。
さすがに最近は自分の周りであまり見かけなくなりましたが、かつての私の上司はそうでした。
ただ、サラリーマンの仕事を冷静に捉えると、それは労働・作業の場合がほとんど。
自分の資産を積み上げる仕組みを作っているわけではないですよね。
会社が回るように繰り返し繰り返し同じような作業をしているだけです。
作業をしていると、なんとなく仕事をしている気にもなり、マラソンランナーのように一種の“ハイの状態”になります。
でもそれは、会社なり職場の上司から指示を受けて行う労働者の仕事。
転職のサイトとかエージェントは、「転職してキャリアアップを!」とかしきりに勧めてくるけど、労働者という根っこは同じです。
いくら人気の高い企業、給料の高い企業に転職できたところで、結局運命は所属する職場に左右されます。
私の読者さんからは、職場でパワハラに遭ったという声が届くこともあります。
時間を切り売りして賃金を得る労働者の仕事に、時間の大半を費やしてしまうのは、あまりにももったいない。
それだと他人に振り回されるだけで、自分を見つめ直す時間が取れるはずがありません。
気休め程度の退職金はもらえるかもしれないけど、職業人として自分が何も積み上げられてこなかった厳然とした現実に直面したりする。
定年退職してポッカリ覇気がなくなってしまうのは、こういうことが大きな要因としてあると私は思います。
③自分が何者かを客観的に捉えられていないから
他人に振り回されるばかりの人生だと、自分の感情を無理やり押さえつけ他人に忖度する場面が増えてきます。
自分の理想・希望・やりたいことよりも、会社組織のためという大義名分があらゆることに優先してしまうようになります。
好きとか嫌いとか、やりたいとかやりたくないとかの感情を押さえつけて。
そんな人に、夢や目標を尋ねられても、しっかりと答えられることはまずないです。
なぜ答えられないのか。
それは、自分自身が何者なのかを捉えきれていないからです。
もっと言うと、考えるための材料が自分の中で揃っていないからです。
そんな人に「あなたの人生の目標は?」なんて言って、出てくるわけないです。
「御社の課題は何ですか?」っていきなり尋ねられても「えーと・・・」となるのと同じです。
④自分が今いる世界しか知らないから
所属する業界や会社に長くいると、そこでの常識が世間の非常識ということはよくある話。
その世界が全て。
そんな状況にいたら視野が狭くなるのは当然。
長くやってきたからこそ、自分がよくわかっているって”つもり”になってる。
傍から見ると「おかしな」ことをやっていても、中に長くいると気付くことは難しい。
会社組織に限らず、新興宗教の世界だとかスポーツ競技の協会だとかもそうじゃないかな。
絶対的な存在がいて、その同調圧力がもの凄かったりします。
「オレは違う!」
と反発する人もいるかも知れない。
でも、次第にそれに慣れてきて、終いには依存するようになります。
銀行のエリートが無実の罪で有罪になり、刑務所生活を送るけど、自由を求めて脱出するというストーリーの映画があります。
その映画の刑務所生活のシーンで囚人役を演じた名優モーガン・フリーマンの名ゼリフにはこんなのがあります。
あの壁を見てみろよ。
刑務所の壁はおかしなものだ。最初はそれを憎み、
次にそれに馴れてゆく。時間が経つにつれ
それに依存するように
なってしまうんだ。
刑務所 → 会社
囚人 → サラリーマン
と置き換えてもなんの違和感もなくないですか?
これ、なんの映画かピンときました?
この映画は私のサイトの読者さんは必ず見てくださいね。
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必見です!(笑)
感想を送ってください。
結局ほとんどの人は、与えられる給料とか保証といったエサに抗えず、知らず知らずのうちに依存していくんですね。
より安全な道を選ぶのは人間の性だから、これがいい悪いじゃなくて。
そんな世界にどっぷり浸かっていると、「人生の次の目標は?」となると、「まぁ、給料もらえているし、とりあえずこれでいっか・・・」ってなります。
さらに、歳を重ねると、無意識的に「変わる」ことに対する抵抗感も出てきますしね。
人生の目標ってどうやって見つけたらいいのか
人生の目標を見失った状態って、自分が進むべき方向が見つかっていない状態ってことです。
行き先もないまま、自分という船が太平洋のど真ん中にただ浮かんだけ、のような状態です。
短絡的に考えると、それじゃあ目的地(ゴール)を決めればいいじゃんって話ですけど、モノゴトはそんな単純な話ではありません。
例えば、「じゃあ、ロサンゼルス(L.A)でも目指してみるか」とゴール(目標)を決めて進み始めたとします。
でも、ここでありがちなのは、「あれ!?オレはなんでL.Aを目指してるんだっけ?」と途中でこんなふうに考え始めることです。
それでも一旦はL.Aにゴール(目標)を決めたわけですから、しばらく進んで行くのですが、やがて、「オレ、このまま進んでいいのかな?」とか思い始め迷走し始めます。
そして、「本当はシドニーを目指した方が良かったんじゃないか?」とか考えて、再び太平洋のど真ん中で途方に暮れるみたいなことが起きます。
これは先ほどお伝えしたように、自分のことがちゃんと捉えられていないからなんですね。
いきなり目標決める!ではなくて、ステップを踏んでいく必要があるわけですよ。
ここからは、人生の折り返し年齢からでもやるべき10のことをお伝えしていきます。
①一旦作業から離れて時間を作る
会社の仕事(労働者の仕事)で必要以上に時間を取られてはいけません。
自分が今会社の仕事でやっている仕事は、仕事の仕組みをつくっているものですか?
つまり、将来自分が手を動かさなくても済むようになるものですか?
毎回(毎月・毎年)同じような作業を、同じようなやり方で延々と行う作業の仕事は、時間をかけて一生懸命やり過ぎてはいけないのです。
また、「完璧に」仕上げることにこだわるのは、得てして自己満足(つまり、マスターベーション)の場合が多いです。
それよりも、自分のための時間を確保するんです。
自分と向き合うための時間を取れなければ、先に進めることはまずありません。
②印象に残っている出来事・夢中になったコトを書き出す
時間が取れたら次は、過去を振り返ってみることです。
自分の生い立ちを含め、子供の頃、学生時代、社会人になってから、何かしらを経験してきているはずです。
まずは客観的な事実を並べてみましょう。
例えば、
- 親の転勤で引っ越しした
- テレビアニメにハマりグッズを集めた
- 習い事とか部活を始めた
- 何かの大会で優勝したとか負けた
- 親友と喧嘩してしまった
- 高校や大学に受験した・入学した・卒業した
- 初めて彼女・彼氏ができた
- 就職活動でどこを受けた
- 親が亡くなってしまった
- 結婚した・離婚した
- 子供が生まれた
- マイホームを取得した
まずは思いつくままに書き出してみましょう。
ココでのコツは、できるだけ数を多く出すことです。
ここは、「考える」というよりも、「思い出す」というフェーズです。
あとで「考える」ための材料を出すのです。
③書き出したものを時系列に並べてみる
書き出した出来事を時系列に並べてみましょう。
なぜかといういと、この方があとあと思考を整理しやすくなるからです。
「時系列に並べる」というのは客観的事実の並べ替えですから、まだ「考える」という段階ではありません。
④その経験を通してどんなことが身についたのかを書き出す
印象に残っているモノやコトを書き出したのは、自分がその時に何らかのアクションを起こしていていることが多いです。
あのときの出来事を今振り返って考えてみると、「今自分が◯◯できるのは、あのとき***したからなんだな・・・」と気付いたりすることがあります。
すでにこの時点では、考える材料が揃っているので、ここからは「考える」フェーズですね。
⑤思ったこと・感じたことを書き出す(好きだったこと、嫌いだったこと)
自分がアクションを起こすビフォー・アフターがあったはずです。
自分のアクションの結果、うまくいったかもしれないし、うまく行かなかったかもしれません。
そのとき、必ず感情が動いたはずです。
例えば、
- 頑張ったけど第一志望の学校に入れず、悔しかった
- なかなか就職先が決まらず、不安だった
- 職場でパワハラに遭ったけど会社を辞めることもできず、絶望した
- 子供がなかなか授からなかったが妻が妊娠したときは、嬉しかった
- 金銭トラブルに巻き込まれた際、親が何も言わず負担してくれたことに感謝した
- コロナで夫(・妻)が一緒にいる時間が長くなり、ストレスに感じた(安心した)
- 信用していた人に裏切られ、怒りを感じた
- 子供が習い事で優秀な成績をだしたことに、誇りに感じた
みたいなことですね。
⑥自分の母校に足を運んでみる
これまで挙げた5つのステップは、自分のことではありますが、結構エネルギーが必要です。
机上で2-3時間かけて終わらせるやっつけの作業ではありません。
煮詰まることだってあります。
そんなときは、一旦離れて環境を変えてみることも大切。
より当時の出来事や感情を呼び起こすために、自分が通っていた母校に足を運んでみるというのもおすすめです。
学校の中には入れないかもしれませんが、通学路を歩いてみたり、よく寄り道したお店などに入ってみたり。
そうすれば、「あのときどんなことを考えていたのか」みたいなことが蘇ってきたりします。
⑦人の話(講演)とかを聞きに行ってみる
わかっているようでわかっていないのは自分です。
人の話に耳を傾けることで、新たな気づきがあったりします。
もし仕事とか書籍を通して「この人すごいな」と感じている人がいれば、是非話を聞きに行く機会を作ってみてください。
自分の尊敬する人や憧れの人に会うことで、刺激を受けますからね。
会ったり話を聞きに行ったりするには、勇気を出して自分からのアクションが必要です。
決して受け身では実現しません。
直接会いたいと思っても、必ず会える保証はありませんが。
たとえ会えなかったとしても、凹む必要はありません。
アクションを起こした自分をまずは褒めてあげましょう。
⑧旅行に出かけてみる
非日常の環境に身を置くと、発想が研ぎ澄まされ、いいアイディアを思いついたりすることはあります。
海外の文化に触れたりすると、「人生観が変わった」みたいな人はいますよね。
これは、普段いる日常の世界ではない外の世界にいるからこそ、自分を見つめることができます。
そうすることで、自分に新たなフィルタがインストールでき、視点は広がっていくのです。
⑨興味があったことを思い切ってやってみる
なんとなく興味はあったんだけど・・・忙しかったりお金がかかったりで未だやったことがないというものはありますか?
あればぜひやってみましょう。
ちょっとした勇気を持ってアクションを起こして経験してみたら、まず間違いなく感情が動きます。
思い切ってやってみたら、「これだ!オレはこれがしたかったんだ!」って気付くことだってあります。
上記の6-9でお伝えしたことは、机上から離れて非日常の環境の中に自分の身を置いてみるということです。
それを経てから、再び自分を棚卸しの作業に戻ってみると、自分はどんなことに喜びを見出す人間なのかがよりわかってくるはず。
⑩制約なしでやりたいことを書き出してみる
人生の目標を見失ってしまったというのは、自分で勝手に自分に制限をかけてしまっている場合がほとんどです。
「自分にはできっこない」「自分はこんなもんだ」という自己暗示ですね。
例えば、
- お金がない
- 自信がない
- 時間がない
- 失敗が怖い
- 周りに何か言われたくない
はよくあるいいわけです。
この時点まで自分の棚卸しをしっかりとやっていたら、作業前よりも自分が何者なのかを捉えられています。
- 経済的な自由を手に入れたい
- 誰からも指図されず自分の裁量で仕事がしたい
- 子供との時間を増やして成長を見守りたい
- エンジェル投資家になって頑張っている人を引き上げたい
- 既婚者だけど異性との出会いをもっと増やしたい
制限無しでやりたいことを書き出してみましょう。
こうして書き出したものが、これからの人生の目標となるのです。
まとめ:こんなダメな自分でも自力で稼ぐようになって変われた
ここまでで、偉そうなにいろいろ書いてきましたが、私自身人のことをとやかく言える立場でもありません。
むしろ、どちらかというとダメな部類だと思います。
平凡な高校から受験戦争を勝ち抜いて有名大学に入学し、就職難の時代に大企業の内定をいくつももらったとき、「人生開けたわ(荒い鼻息)」ととんだ勘違い野郎でした。(笑)
有名大学を出て誰もが知る大きな会社に就職して、家族ができて、会社の信用力を背景に多額の住宅ローンを組んでマイホームし、勤め上げて退職金もらって、悠々自適なシニアライフを満喫。
世間ではこれがある種の目指すべきコースになっている。
職場の周りの人間も同じようなバックグラウンドの人だから、世界がとっても狭い。
でも、会社生活の中でパワハラに遭い、部署をたらい回しにされ踏んだり蹴ったりの目に遭ったのです。
その時思いましたよ。
あー、サラリーマンとしての道を踏み外したなーって。(苦笑)
でも、そこからの解決策ってなかなか見つからない。
とっても視野が狭かったんですね。
今思えば、同じようなバックグラウンドの人たちに囲まれていたからっていうのもあります。
どんな目に遭っても、その会社にしがみついて勤務するか、転職するかって発想。
もう完全な労働者思考なわけです。
でもさすがに心がへし折れそうになって、「会社からの給料1本だけだと人生リスキーだわな」って痛感したんです。
うつになりそうな状況で、地べたを這いつくばって探していたときに、ネットという新たな世界に出会いました。
へー、こんな世界があるんだ~。
って、もう驚くことばかり。
この世界の住人は、普段自分の周りにいる「先生の言うことをよく聴くお利口さん」とはまるで違うタイプの人たちばかりで新鮮でした。
新たな世界に飛び込んでみると、知らないことばかり。
一回り以上も年下の人にお金を払い、教えを乞う。
目標もできました。
おかげで考え方も変わり、収入源も増えました。
人間万事塞翁が馬ってやつですね。
ここまで読んでくれたあなたには、ぜひ自分を変えるきっかけを掴んでもらいたいと切に思います。
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