不動産の売却で失敗しないために最初にすること
相続・住み替え・離婚などで、不動産の売却を検討する際、まず何をしますか?
不動産取引は、金額が高額であり、一生のうちにそう何度も取引をするものではありません。
だから、たとえば、
- 売却のための費用は何にいくらかかるのか
- 売却できたお金はいつ入ってくるのか
- もしも売却できなかったらどうしよう・・・
- そもそも、売却するために何をしたらいいのか・・・
- どこから進めたらいいのか・・・
など、わからないこと、不安なことばかりです。
そうなると多くの人は、
「大手なら安心」
「高い査定額を出した会社は信頼できる」
と考えて、とりあえずテレビとかネットとかでバンバン流れてくる広告の影響を受け、大手不動産仲介会社に問合せしたり、一括査定を申し込んだりするわけです。
今回私は、
- なぜ、不動産の売却で損をしてしまうのか
- なぜ、最初にすべきは「モノ(物件)」の査定依頼ではないのか
- なぜ、「人選び」から始めると、結果的に百万円単位で得できるのか
についてお伝えしていきたいと思います。
信頼できる人に相談したい
一生に一度あるかないかの高額な不動産の売却ですから、信頼できる担当者に任せたいと思いませんか。
では、信頼できる不動産仲介の担当者ってどんな人でしょう?
- 知識が豊富
- 説明がわかりやすい
- 情報を包み隠さず全部公開してくれる
- 良いことばかりではなく欠点も伝えてくれる
- レスポンスが早い
- 人柄がいい
- 契約を急かす/しつこく付きまとう、などしない
- 自社ではなく売主となるあなたの利益を優先してくれる
といったことが挙げられるでしょうか。
高い査定金額を提示すればいい、という単純な話ではありません。
不動産取引に不慣れな売主が判断に迷うような場合に、的確なアドバイスをくれたり、最適な専門家へ橋渡しをしてくれたり、目に見えにくい部分も含めてあなたをサポートしてくれる人が身近にいたら、心強いですよね。
どんな大手の不動産会社に依頼しても、実際担当するのはその中の社員(=個人)であり、その人がどんな人なのかはわかりません。
たまたま来店時や問合せ時に対応してくれた人がそのまま担当者、というケースも少なくありません。
私自身は、これまで大手企業の「中の人」として働いてきました。
そんな私がもし、「大手企業で働く社員は、信頼されるような資質のある人なの?」と問われたら、正直「その人個人による」としか答えられません。
やはり、いくら大きな組織に属しているとはいえ、仕事を担当する個人によって、結果が大きく違ってきますから。
実は日本の不動産業界には、お客さん(売主や買主)の利益よりも不動産会社の都合や利益が優先されてきた独特の商習慣があります。
Contents
なぜ、不動産会社の利益が売主よりも優先されるの?
▼大量広告による反響営業
不動産を売却するためには、見込み客にあなたの物件が売出し中であることを、広く知ってもらうことが必要です。
広く知ってもらうためには、大量に広告を打つ必要があります。
テレビCMとかネットに広告を大量に出稿し、ポータルサイトに誘導します。
そこに、あなたが売却したい物件の情報を載せるわけです。
物件を1つ掲載するのに、2万円~数万円かかります。 掲載料を多く払うほど、ユーザーの目に止まりやすい場所に掲載されます。
こうなるともう課金ゲームです。しかも、掲載料はますます高額になっています。
でも、売手であるあなたが直接掲載料を支払うことはありませんよね。
じゃあ、このポータルサイトへの掲載料は一体誰が払っているのか。
それは、全て不動産会社です。
不動産会社はまた、駅前とかショッピングモールの中とか人通りの多い場所に店舗を構えるとなると、多額のテナント料を支払うことになります。
このように不動産会社は、多額の費用/コストをかけ、見込み客を集めているのです。
もちろん、不動産会社は慈善事業をしてるわけではありません。
かかった多額の費用を回収するために、営業マンに過大な「ノルマ」を課すことになります。
▼過大なノルマを課された不動産会社の営業マンの心理
不動産会社が多大な費用/コストをかけて集めた見込み客リストは、営業マンに割り振られて「ノルマ」となります。
営業マンは会社から与えられたリストを次々に当たります。
契約成立まで至らなければ、とても課されたノルマが達成できません。
なので、必然的に物件中心の短期志向になり、契約成立・ノルマ達成がゴールとなります。
物件を効率よく捌いて・ノルマをこなそうとする場合、営業マンは1件の売買取引で売主・買主の両方から手数料が得られる『両手取引』に持ち込もうとします。
▼不動産取引の基本
売主から物件の売却を任せられた不動産会社Aが取引を成立させると、売主から手数料を受取ります。
その金額は、最大で成約した価格の3%+6万円です。
一方、買主は別に不動産会社Bに取引を依頼しています。
そして、B不動産会社も買主から最大で3%+6万円の手数料を受け取ることができます。
このように、各不動産会社が売主・買主それぞれから手数料をもらうことを「片手取引」といいます。
これが通常の取引です。
なぜなら、不動産会社Aは、売主の利益の最大化のために尽力し、不動産会社Bは買主の利益の最大限のために尽力するからです。
取引の透明性も高いですしね。 不動産の流通市場が発達した米国では、この「片手取引」がほとんどです。
▼売主・買主両方から手数料を受取ることの何が問題なの?
ところが日本では未だに、1件の売買取引で売主・買主の両方から手数料を得る『両手取引』の商習慣が根強く残っています。
両手取引の何が一体問題なのでしょうか。
「自分の物件を売却してくれれば、不動産会社が買主からも手数料をもらってもいいんじゃない?」 「間に入る不動産会社が少ない方が、話も早く進みそうだし、取引もスッキリしてるんじゃない?」 と思うかもしれません。
ただ、以下のようなケースだと、売主は「知らないうちに損をさせられる」ことになります。
売主から依頼を受けた不動産会社が、『両手取引』に持ち込もうとした場合、他の不動産会社に買主を見つけられては困るわけです。
そうすると、売主から預かっている物件を他の不動産会社には意図的に紹介しなくなります。
もし他の不動産会社から問合せが入っても、「申込が入っている」などと嘘をついて他社に紹介しません。
これではせっかくの売却機会を捨てることになります。
預かった物件を他社にしないでどうするのか。
それは、自社で買主を見つけて『両手取引』にできるまで、自分の手元に置いておくのです。
このような行為を『囲い込み』といいます。
これは不動産会社の利益のためだけであって、せっかく信頼して物件を預けてくれた売主の利益を最大化するための行為ではありません。
このように、預かった物件を他社に物件を紹介せず自社で囲い込んでしまおうとすることが、『両手取引』の大きな問題点です。
そして、『両手取引』にはもう1つ大きな問題があります。
『両手取引』は、売主・買主の両方の間に立つことになります。 売主・買主それぞれの目的は、こういうことですよね。
- 売主:少しでも高く売りたい
- 買主:少しでも安く買いたい
目的が正反対です。
不動産会社が、売主・買主両方の間に入るってことは、つまり、
- 売主の不利益になる→買主の利益になる
- 売主の利益になる→買主の不利益になる
ということです。 「利益相反の関係」と言ったりします。
この場合、不動産会社から過大なノルマを課された営業マンは、どういう行動を取るのか。
それは、たとえ売却価格が安くなって売主が損するとしても、売主に契約を急かして成約まで持って行こうとします。
「えっ?でもそんなことしたら、営業マンが売主から得られる手数料も安くなってしまうよね?」 と疑問に思いませんでしたか。
はい、確かにその通りです。
しかし、ここに売主が損をして、営業マンが得をするカラクリがあるのです。
そのカラクリが『両手取引』です。
『両手取引』は、営業マンが売主・買主の両方から手数料を受取れる取引でしたね。
売主からの手数料が多少下がったとしても、買主からも手数料を受取れれば、結果的に営業マンの手数料の取り分はむしろ増えることになります。
売主からすれば、「あこぎな商売してんな~(怒)」ってなりますよね。
日本では、売主よりも不動産会社の利益を優先させる取引が当たり前にように行われてきました。
「でも、そんなのはごく一部の悪徳業者の話だろ」 「テレビCMとかでイメージのいい大手の不動産会社がそんなことするわけないでしょ!?」 と思われるかもしれません。
しかし、現実は大手の不動産会社こそ積極的に両手取引に手を染めていたりします。
解決の糸口
冒頭で、
- 高額な不動産の売却は、一生に一度あるかないかの一大イベント
- となると、信頼できる人に任せたいよね
という話をしました。 でも現実には、売主よりも不動産会社の利益を優先させる取引が当たり前のように行われていたりします。
そうなると、信頼できる相談相手・依頼先を見つけるのは諦めなければならないでしょうか。
いえいえ、そんなことはありません。 ここからは、私(nobu)が、
- なぜ、この事業を始めようと思ったのか
- 何が、他の不動産会社と違うのか
- なぜ、私に相談した方がいいのか
- どんな、活用方法があるのか
について語っていきたいと思います。
Contents
なぜ、不動産事業を始めようと思ったのか?
私が不動産事業を行うきっかけとして、2つの出来事があります。
▼自宅の購入経験
私自身はもともと金融分野が専門で、大手企業で事業投資等の実務に携わってきました。
また個人としても、収益不動産オーナーとして自らリスクを取り、物件を取得し運営してきた経験があります。
そんな私が、あるとき自身の住宅を購入することになりました。
その際、資産価値があまりないと思われる物件が、高い購入価格でバンバン売れていくこと、その一方で、住宅ローンの返済に行き詰り自宅を手放さざるを得ないケースを目の当たりにしました。
こうなるのは、目に見える不動産という「モノ」を中心に捉えているからだと感じました。
同時に私は、不動産会社が取引に不慣れな一般の人との情報格差(情報の非対称性)を利用し、自社の利益ばかりを優先させて短期的に売り捌こうとする姿勢に、業界の闇を感じました。
もし、目に見えない重要な「コト」も含め、長期的な視点から相談できるような人がいれば、より安心して行うことができる、
そして私自身がそういう存在になれないか、と考えるようになったのです。
▼自身で手に負えなくなった不動産の整理
私には、これまで一度も会ったことがない伯母がいました。
戸建の持ち家に単身で暮らしていましたが、自宅で転倒して入院。
伯母の弟である私の父にその知らせが入ってきたのは、伯母の身元調査を行った区役所からでした。
伯母はもう何十年と親族と音信不通だったのです。
父が病院で伯母と面会してみると、既に足腰は弱っており、今後自宅に戻るのはもはや非現実的。
病院に居続けるわけにはいかないし、今後の生活について伯母自身が必要な情報を収集・整理し、判断し、行動するということも難しい。
親族だからといって、私の父が伯母を引き取るのも現実的ではない。
なぜなら、父は年金生活者であり、人工透析を受けている状況だったから。
この時、FP(ファイナンシャルプランナー)として有していた私の知識が大いに役立ちました。
父から相談を受けた私は、将来の相続も視野に社会保険制度・不動産の知識を活用し、伯母にまだ判断力があるうちに施設へ入所させ、不動産を整理することができました。
この後、伯母は認知症となり、私自身初めて認知症の現実を目の当たりにすることになります。
伯母の件で情報を収集したり整理したりしているうちに、私は高齢化の進展に伴い今後の顕在化していく問題に気付きました。
それは、高齢者が認知症になることで、不動産等の資産が凍結されてしまう、という問題です。
高齢者は大量の不動産等の資産を保有しており、その本人が認知症になると取引は原則できなくなります。
そうなると、何もできないままその資産は滞留することになります。
例えば、売却して現金化し、本人が施設に入居する際の原資にすることもできません。
でももし、「資産凍結」を回避できれば、資産が流動化されます。
そしてこれは、高齢者世代から次世代に資産移転を促すことに繋がります。
この社会的な課題を解決するのに、私自身がこれまで培ってきた、不動産・金融・法律等に関する知識を活かすことができるのではないかと考えるようになったのです。
何が、他の不動産会社と違うのか?
「不動産取引の仲介」という取組む業務自体は、他の不動産会社と同じです。 では、一体何が違うのか、ということについてみていきます。
▼取り組むスタンスの違い
最も違うのは、取り組みのスタンスです。
他の不動産会社/営業マンは、いかに物件のメリットを伝えて目の前のお客さんを説得し、素早く契約させるかが最優先事項となりがちです。
なので、基本的な取組スタンスはこうなります。
- モノ(物件)が中心
- 短期志向
- 両手取引(お客さんよりも自社の利益)
- 契約=ゴール(後のことは知らない)
一方、私(nobu)の方は、人の課題解決(コト)を中心として捉えます。 不動産取引はあくまでもその人の人生の課題を解決するためのツールにすぎませんから。
なので、私の取組みスタンスはこうなります。
- コト(課題解決)が中心
- 長期志向
- 片手取引(お客さんの利益最大化)
- 契約=スタート
不動産なので「モノ(物件)」が取引対象ですが、それを中心に捉えていると、人生を大きく踏み外してしまうこともある、ということを私はオーナーとして学んできています。
不動産は身近なものですが、その取引は高額で目に見えるモノの側面だけでなく、法律・金融・税務など目に見えないコトの側面が絡んで複雑です。
モノが中心ではなく、人のコト(課題解決)が中心ですから、長期的な視点に立ち、お客さんの利益を第一に考え、場合によっては、取引しない(売り急がない)ことを進言することもありえます。
また、契約は最終的なゴールではなく、お客さんと長期的な関係を築いていくためのスタートであるという考え方です。
この部分で他の不動産会社との違いを理解していただけると嬉しいです。
▼営業・集客のスタイルの違い
既にお伝えした通り、他の不動産会社は、多額の広告費を投じたり、駅前などの一等地に賃料の高いオフィスを構えたりしてます。
高コストを回収するために、過大なノルマを営業マンに課します。
営業マンは、ノルマ達成のために、会社のカンバン(信用力)と高い広告料と引き換えに得た見込み客リストを頼りにアポ取りに奔走します。
「モノ(物件)」を中心に短期間で成約に持ち込もうとするので、「焼畑営業」的なスタイルになりがちです。
一方、私の方の集客・営業スタイルは、お客さんからご紹介をいただけることを目指すスタイルです。
多額の広告料や一等地の賃料の高いオフィスは必要ありません。 高いコストを回収するための過大なノルマもありません。
必要なのは、私自身の信用力・信頼感です。
お客さんに満足してもらうことで信用・信頼を得て、他のお客さんをご紹介いただけることを目指しています。
▼知識・経験の幅の違い
他の不動産会社の営業マンは、不動産取引の専門家として活動し、中には宅建士の資格を持っている人もいます(持っていない人もいます)。
確かに、「宅建士」の資格を有していれば、目の前の不動産取引を成立させることはできます。
ただ、不動産の取引には、不動産そのものの知識の他に、金融・法務・税務・相続など複合的な知識が必要になる場面が多々あります。
一方私の場合は、「宅建士」の他に「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」や「証券アナリスト」などの資格を有しているため、お客さんの課題ついて幅広くご相談に乗ることができます。
一般的に、弁護士や税理士などの専門家への相談は、どことなく敷居が高く「何をどう相談したらいいのか・・・」となりがちです。
その点私は各専門家と連携し、お客さんの課題を一緒に紐解き、解決のために貢献することができます。
私(nobu)に相談するメリット
あなたが不動産の取引を検討するにあたり、私に相談するメリットは以下の通りです。
- あなたをサポートする人間を直接指名できる
- ノルマがないため、契約を急かされることも、しつこい営業をされることもない
- 幅広い視点からメリットだけでなくデメリットもしっかり伝えてくれる
- 場合によっては、取引自体を考え直すようアドバイスしてくれる
- あなたの満足のために努めてくれる
- 長期的な関係を築くことができる
日本では、いきなり「モノ(物件)」ありきで不動産取引の検討が進んでしまいますが、米国では、まず自分をサポートしてくれる人間選びから始めるのが一般的です。
私(nobu)に相談するデメリット・注意点
デメリットというか注意点としては以下の通りです。
- 私個人の信用・信頼が全て
- 必ずしも相性がいいとは限らない
資本力という観点からすると、既存の不動産会社の方が、信用力があると言えます。
ただ、大手不動産会社に依頼したとしても、実際にサポートしてくれるのは個人の営業マンで、その個人に信用・信頼があるかどうかはまた別問題です。
大手のカンバンかどうかを気にされる方はご遠慮願います。
また、どうしても私と相性が合わない、という方もいるかもしれません。
人が介するサービスである以上、こればかりは仕方ありません。
その場合は遠慮なく他の営業マンにご相談ください。
私の自己紹介をお読みになってお気づきの通り、私は不器用な性格で嘘をつくのが下手くそな人間です。
最終的にお客さんのためになると思えば、私はお客さんの考えとは違う提案をすることもあり得ますし、取引自体をやめるようアドバイスすることもあり得ます。
なので、 「オレは客なんだから、オマエは言われた通りにやってりゃいいんだよ!」みたいな方は絶対に相性が合わないので、最初からコンタクトしてこないでください。
セカンドオピニオンとしての活用も
いい相談相手に巡り合えれば、より安心して不動産の取引が行えるはずです。
とはいえ、初めての場合は不安だらけで、何から始めたらいいのか・誰を信頼したらいいのかの基準もわからないかもしれません。
そんなときは、セカンドオピニオンとして相談してみる、ということも可能です。
(現時点で私自身も開業準備中ですので) セカンドオピニオンとは、当事者以外の専門的な知識を持った第三者に、より良い決断のために意見を求めることです。
医療分野を中心に用いられる手法ですね。 現在他の不動産会社に相談しているけど、なんとなくモヤモヤする・判断に迷っているなどの場合は、利害関係のない意見を聞くことで理解が深まり、より納得した上で判断が出来るようになる可能性があります。
メルマガ無料登録特典
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不動産取引においてまず何よりも大事なことは、「モノ(物件)」ありきでいきなり不動産会社に売却査定を依頼することはなく、信用・信頼できる相談相手を見つけることです。
それが、失敗・後悔しない不動産取引の秘訣です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。 あなたとのご縁に感謝いたします。